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クールトーク。第2弾 素材のピュアな味と香りにこだわる山下貴嗣のミニマルの手法とは


本場アメリカ、ヨーロッパを見て気づいた、日本でこそできるBean to Bar

コーヒーでいえばサードウェーブ、ビールでいえばクラフトビール、既存の価値観と市場をアップデートする動きが多くみられる近年のフードシーン。チョコレートの世界におけるビーン・トゥ・バーもそのような新しい例の一つと捉えることができるが、そこにはすでに奥深いこだわりが存在する。砂糖を使って均一的な味を大量生産で作るチョコレートでは到底感じることのできないカカオの個性を届けることを可能にしたビーン・トゥ・バー。その名を冠したMinimal -Bean to Bar Chololate-の創業者・山下貴嗣さんに素材の味をミニマルな手法でピュアに届ける、そのこだわりを聞いた。


—ご友人が仕入れたカカオ豆を使って手作りしたチョコレートを食べたことがビーン・トゥ・バーのチョコレートとの出会いと伺いました。そこからどのように研究をしていったのですか。


2014年8月にこの会社を設立したのですが、その2ヶ月前にアメリカとヨーロッパのビーン・トゥ・バーのお店を回りました。アメリカのかっこいい見せ方であったり、オーセンティックなショコラが強いヨーロッパの素材への回帰だったり、それぞれの文脈を感じられました。その旅ですごくわかったことというのが、みんな美味しいチョコレートを作るためにいいカカオを手に入れるという考え方なんです。要は当たり前なんですけど、目的はチョコレートで手段がカカオなんですね。僕らのビーン・トゥ・バーが違うのは、カカオという素材を表現するということを目的にしていて、そのための手段がチョコレートという考え方だということです。僕らは「引き算のチョコレート」と呼んでるんですけど、カカオっていう存在自体がすごく面白いと思っているんです。その素材を表現するために、どういうことができるか、ということですね。



—なるほど。ほんとうに素材の味とか香りをピュアに表現するっていうことですね。


僕らは思想と目線が違うんです。素材のカカオに魅せられていて、それを表現したいということが僕たちの中で一番大きなものなので、目的と手段が逆なんです。Minimalのザクザクした食感は、当初チョコレートは口どけが重要だって怒られもしましたが、それがカカオの表現方法としては一番よかったんですね。


—ガトーショコラ専門店という新業態を代々木上原にオープンさせますが、ガトーショコラのこだわりポイントはどのような部分ですか。


それもやっぱり同じです。カカオ素材の味がちゃんと香るガトーショコラ。板チョコレートでもガトーショコラでもクッキーでも、僕らの軸はそれで、カカオの味がちゃんと感じられるっていうのを大事にしています。普通は甘みで語られるので、香りっていうチョコレートはほとんどないですよね。



—素材ということで突き詰めていくと作り手の顔を見るというのが大事だと思うのですが。


すごく大事です。結局、信頼関係づくりだと思うんです。ある程度取引形態が整ってしまえば、毎年行く必要なんてないわけですよ。でもなんで僕が行くかっていうと、関係づくりのためです。そして、毎年1kgでも多く買うっていうマイルールがあります。いい豆かは見極めますが。1kgなので大した量ではないのですが、そうやって毎年買うことで彼らに買ってくれる人として認識してもらえた時に初めて僕たちはパートナーになるんですね。


—パートナーとして一緒にやっていくことで、現地コミュニティにも変化が生まれてきますよね。


青リンゴの風味がするタンザニアのカカオがあって、若い青年がやっている農園なのですが、次はいつ来てくれるんだとすごく言われていたり(笑)これから関係性を作っていくところもあるんですけど、5年やってると信頼関係はできてきますね。


インドネシアのある地域での話で、最初はクオリティの悪いカカオを作っていたんですけど、僕らと3年やったら国際品評会で銅賞獲れるくらいまでになったりクオリティが上がったんです。何が一番大きいかっていうと、彼らにチョコレートの作り方を教えてあげたんです。自分たちでチョコレートを作ると、アウトプットのクオリティの違いがよくわかるから、発酵とか自分たちで考え出して頑張るんですよね。そうすると自然とクオリティがあがっていくんです。これは稀有な例ですけど、素材を通して世の中ってちょっとだけ良くなったりとか、ちょっとハッピーが増すなっていう感じがしていて。あとチョコレートを食べたことがないっていう人は多いんです。人生で初めてチョコレートを食べる瞬間を何度か見ていますけど、すごいです、感動します。



—それは感動しますね。関係性でいうと、この地域にもしっかり根ざしていますよね。


ブルックリンやミッション、東ベルリンなど世界でカルチャーの生まれる都市を考えるといわゆるスモールタウンというところなんですよね。新しいものを受け入れられる感度が高くて柔軟な人がいてっていう場所が東京ではどこかなと考えた時、ここ(富ヶ谷)はまさにそうで。今思えば飲食店のセオリーからは外れていてゾッとしますが、でもやっぱりこの街でやって本当に良かったと思いますね。新しいことをやっているので、ちゃんと共感してもらわないと意味がないじゃないですか。1日に1000人来るところより、1時間に10人でいいから10分ちゃんと説明聞いて体験してもらえる人が増えた方が最初はいいと思ってやってきました。いつも言ってるんですけど、1万人が1回買ってくれるより、100人が人生の中で100回買ってくれる方を目指そうと。僕たちの考え方とかどういうことをやっているかっていうことをスタッフが熱を持って話すんです。それでファンになってくださる方も多くて、お客さんがお客さんを呼ぶっていう良い連鎖が生まれてきていると感じられるようになりましたね。



Text: Yoshiki Tatezaki
Photo: Kenta Yoshizawa

Minimal -Bean to Bar Chocolate-
https://mini-mal.tokyo/
Instagram: @minimal_beantobarchocolate

素材のピュアな味や香りを徹底的に追求している山下さん。
その作り方からは、揺るぎないこだわりを感じる。
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さぁ、チェックしよう!



本キャンペーンは終了しました。


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