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クールトーク 。第15弾 津田昌太朗がレコメンド 2020年音楽フェス入門編5選


音楽フェスの達人がすすめる、音楽だけじゃない楽しみ方

インスピレーションをもらえたり、こだわりを感じられたり、何かを始めるきっかけになったり。そんなトークを軸に、クールなモノやコトをみんなで楽しむ場「クールトーク。」第15弾では、ジャーナリスト津田昌太朗さんが登場。これまでに音楽フェスを100以上体験し、今もなお世界中を飛びまわり続け知られざるフェスを掘り続ける達人が、自信を持って音楽フェス初心者におすすめする、来年行くべきフェスは?


―国内300ヶ所以上、海外100ヶ所以上のフェスを体験された津田さん。なぜこれだけ海外のフェスを見てまわろうと思ったのですか?

学生時代から日本全国のフェスに参加して、社会人になってからも副業でフェスに特化したメディアを運営していたのですが、そんなときに初めて行った2013年の「グラストンベリー・フェスティバル」に衝撃を受けて。大好きなローリング・ストーンズがそこに集まった老若男女すべてを踊らせてる光景を目の当たりにして、この文化は一体なんなんだ? と。グラストンベリーが何なのかを解明するためには他のフェスのカルチャー、参加者の考え方を知る必要がある。だから世界中の「フェス」とつくもの全部を体験しようと決めたんです。そこから当時勤めていた会社を辞めて世界中を旅するようになり、それがすっかりライフスタイルとして定着してしまったんです。


―日本国内のフェスでは経験できない、音楽フェスならではの魅力とその楽しみ方を教えてください。

絶妙なハラハラ感のある究極の非日常で新しい人やカルチャーと出会える、旅の楽しみがあること。海外は知らないことや感覚の違いもあって基本思い通りにいかない。はじめての方からは治安が心配という声も聞きますが、別にスラム街に行くわけではないので(笑)、ある程度のルールがあって、その中でしか感じられない自由や得られる喜びがある。それがいい刺激になります。元々出不精な僕でもフェスをきっかけに行く国ができて、新しい人たちと出会って、そこから世界中のリアルな文化や社会情勢を知ることができました。一冊本を読んで知識を得る気分に近いというか。今もフェス開催地に知り合いがいれば、その人にまず現地事情を教えてもらうようにしてます。現地人と一緒にフェスに行って反応を見るのも面白いかなと。


―今年の4月に『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』を出版された津田さんに、今回は5つのフェスを選んでいただきました。数多くある音楽フェスの中で、選び方のポイントはありますか。

1つめは観たいアーティスト目的、2つめは行きたい国ありき、3つめはいわゆるフェス一本釣り。音楽フェス初心者の方でも「コーチェラ」「グラストンベリー」など主要どころは名前は知っていて、いつか行きたいと思ってる人も多いんじゃないでしょうか。世界のフェスシーンはこの2つを抜きには語ることはできないので、そこを入り口として音楽フェスをどんどん掘って楽しんでいくのもいいですね。


1. 音楽フェスへの入り口、鉄板の「コーチェラ」



今の最新の音楽トレンドが集約されてるフェス。毎年進化するので、常にその場で体験しないと今起こっていることとかこれから起ころうとしている何かを見逃してしまう感じがするんですよ。18年にはビヨンセが音楽史に伝説を残したと言われる圧倒的なライブを行ったほか、最近はアジア勢の出演も多く、19年は韓国のBLACKPINKが話題になったり、日本からもPerfumeが出演しました。またラテン圏のアーティストの出演も増えるなど、最新のトレンドはもちろん、多様性が謳われる今の音楽シーンを如実に反映しています。 チケットの入手しやすさ、行きやすさの面でもおすすめです。LAはじめ西海岸の主要都市にもアクセスが良い場所で2週にわたり開催されるので、行きやすい週末を選んだ上で、前後で旅行を計画してみてもいいのではないでしょうか。


Coachella Valley Music and Art Festival
開催時期:4月中旬
開催場所:パームスプリングス、カリフォルニア(米国)
https://www.coachella.com/


2. 最先端の音楽とテクノロジーが一堂に会する「ソナー」





欧米やアジアでも展開もしている回遊型フェス。夜はダンスミュージック、昼間はテクノロジーに関するカンファレンスやスタートアップ企業が参加するピッチイベントなども開催されているので、クリエイティブに興味のある人にもおすすめ。昼夜で会場の雰囲気が全く違うのでそれもまた面白いです。ソナーに便乗して他の場所でもイベントが盛り上がる「オフソナー」という概念もあり、街全体がフェスを中心に音楽に染まる雰囲気も味わえます。バルセロナの6月は昼間の暖かさ、夜の涼しさ、美味しい食事、参加者のハッピーな雰囲気でまさに楽園。

Sónar Music, Creativity & Technology
開催時期:6月中旬
開催場所:バルセロナ(スペイン)
https://sonar.es/


3. アーティスト主催から広がる体験「アストロワールド」



アーティスト主催フェスが今アメリカでトレンドです。タイラー・ザ・クリエイター、ファレル・ウィリアムスといったトップアーティストらがフェスを主催することでラインナップの独自性、そこに対する期待値や熱量ともすごく高いのが特徴で、今年のタイラー・ザ・クリエイターの主催したフェスでは、シークレットゲストにフランク・オーシャンを期待した観客が、登場したドレイクにブーイングを行ったことも。また物販も限定グッズが多くてレアものばかり。そんな中、トラビス・スコットが主催するのは、昔実在した遊園地の名前を冠した「アストロワールド」という同名アルバムの世界観を再現したフェス。アルバムもフェスも大ヒットした結果、今年はヒューストン市長がアストロワールド再開園を検討してるというニュースが流れ、Netflixでアルバム制作を追ったドキュメンタリーも放送されました。全て計算かと思うほどフェスの周辺でいろんなことが起こるわけです。まずはドキュメンタリーをチェックしてみてください。

Astroworld Festival
開催時期:11月上旬
開催場所:ヒューストン、テキサス(米国)
http://www.astroworldfest.com/


4. 飛び級成熟の真っ只中「ウィー・ザ・フェスト」




欧米のフェスは遠いし、なかなかハードルが高いという方にはアジアのフェスがおすすめです。アジアの中では日本が圧倒的にフェス先進国なのは間違いないですが、個人的に面白いと思うのがインドネシアのフェス。今年の夏の「ウィー・ザ・フェスト」という都市型フェスにはJojiやトロイ・シヴァンが出演していました。地元アーティストもいれば世界的トレンドの最先端層もいて、そのミックスされたラインナップが新鮮です。アジア圏のフェスは歴史が浅いなりのルール度外視なカオス感が面白い。例えるなら中国人がガラケーすっ飛ばしていきなりスマホを使いこなす感じ(笑)海外志向で英語が通じやすい若者も多いです。「こんなに参加者の肌の露出が多いイベントはこの国にはない」と現地人がびっくりするくらい現地では最先端イベント。旅の面で言えば渡航費も物価も安く、馴染みのある食文化だから過ごしやすいです。ほかにも3月に88rising主催の「Head in the Cloud」というフェスも開催されるので要チェックです。


We The Fest
開催時期:7月中旬
開催場所:ジャカルタ(インドネシア)
https://www.wethefest.com


5. 趣味に合わせて参加都市を選べる「レーンウェイ」




夏まで待てないという方には南半球で開催されるフェスがおすすめです。「レーンウェイ」は、オーストラリア各所、ニュージーランド、シンガポール(ここ数年はシンガポール開催はなし)を同じラインナップで1日ごとに巡回するフェス。来年はThe 1975がヘッドライナーとして既に発表されています。日本からまあまあ近いし時差も少ない、おまけに冬なのに夏フェス行って日焼けして帰ってくる罪悪感がいい。音楽以外の興味で自分に合った都市を選ぶ楽しさもあります。例えばサーフィン好きはゴールドコーストへ、コーヒー好きはメルボルンへ。複数の都市を追っていく楽しみ方もアリですね。


St Jerome’s Laneway Festival
開催時期:1月下旬〜2月上旬
開催場所:オーストラリア、ニュージーランド
http://lanewayfestival.com/


―最後に、2020年の津田さんの展望を聞かせてください。

音楽フェスはまだまだニッチな市場ですが、配信などの環境も整ってきて日本でも少し身近に感じられるものになってきました。だからこそ個人的にはこれからもあえて需要も知名度も低いフェスを掘ろうと思っています。まだまだ進化の途中にあるアジアは引き続き掘っていきたいし、あとは南米やアフリカ。まだ日本に全然知られていない流行や現象を生で体感できるような場所に行きたいですね。 フェスって初心者からするとジャンルによってはパリピだけが集まっているみたいな印象だったり、逆にアングラで少し怖いみたいなイメージを持たれることもあるんですけど、実際はそれぞれ独自の文化や世界観があるということをより多くの人に伝えていきたい。旅の要素も組み合わせて世界中の街や文化を知ることで、フェス参加者の人生が豊かになればいいなと思っています。


津田昌太朗
ジャーナリスト、音楽フェス情報サイト「Festival Life」編集長。2013年、「グラストンベリー・フェスティバル」に参加したことがきっかけで当時勤めていた広告代理店の退職を決意。イギリスに移住後、音楽フェスを横断するプロジェクト 「Festival Junkie」を立ち上げる。2019年4月に120以上の音楽フェス情報を収録した「THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド」を出版。

Instagram: @festival_junkie

Produce: Kenta Suzuki
Text: Ayae Takise
Photography: Masakazu Kouga

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応募期間:2019年12月9日(月) 10:00 ~ 2020年1月8日(水) 9:59
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