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クールトーク。第8弾「SEE SEE」のフラワーベースが持つ魅力的な「違和感」


アート性溢れるプロダクトが生まれるまで

静岡県の伝統工芸である静岡挽物とアメリカ西海岸のストリートカルチャーを掛け合わせた作品を数多く発表している「SEE SEE」。スケートボードやスプレー缶などの形をしたフラワーベース(花器)をはじめ、どこか遊び心を感じさせるプロダクトが魅力となっている。そんなSEE SEEの代表 湯本ひろさんと挽物師の百瀬聡文さんへ作品への思いや魅力を伺った。


ー「SEE SEE」というブランドの名前の由来を教えてください。

湯本:最初は単純にロゴが良かったっていう理由でつけたので、後付けにはなってしまうんですけど(笑)。『器から見るお花』ということで、見る・見るという意味があったり、「see you」とかけてもいます。


ーどのような経緯でSEE SEEは始まったのですか。

湯本:僕は洋服のバイヤーをしていた関係で、サンフランシスコによく行ってて。向こうで見ていた木のオブジェがとてつもなくかっこよかったんですよね。それを日本のもので何か表現できないかなって考えた時に、僕は生花をやっていたのもあり、桜の枝をツノに見立ててシカのオブジェにしたら面白いんじゃないかなって思いついて。挽物師の百瀬が後輩にいたので、相談したら「作れるよ」とのことだったので、実現してもらいました。そしたらそれがすごく面白くて。そこからこのプロジェクトが始まりましたね。


ースケートボードの形を始め、普通のフラワーベースではあまり見ないような形が多いですよね。

湯本:基本的に僕が面白いって感じるものを軸に作品として作ってますね。やっぱり「自分が欲しい」って思えないとやっていてもつまらないので。あとは、ポップ感がないといけないと思っています。まずは最初に手にとって、そこから色々感じて興味を持ってもらいたいですね。


ーどういう時に形のアイデアが思いつくのでしょうか。

湯本:前は結構頭の中でポンポンとアイデアが思いついたんですけど、最近は意識して考えるようになりました。今は「何をやってもいい」という感覚よりは、一つのことを掘って極めたいという想いが強いです。その中でやっぱりイケてないなって思えばやめちゃうことも多いですね。プロダクトを考える上で、ただ単にナチュラルなだけのものには興味がなくて、いい意味で不良感を出したいと思っています。ナチュラルの中にケミカルな部分も混ぜたいというか。そういう「違和感」という意味で、それもSEE SEEの魅力だと思っています。


ーアメリカ西海岸のカルチャーと静岡挽物がマッチすると感じていた部分はありましたか。

湯本:実際にやってみたら偶然ハマった感じです。アメリカの良さって少し雑な部分だと思うんですよね。一方で、日本って繊細ですごく細かいものづくりをするので。もちろん百瀬の技術があって成り立っている部分があるんですけど、その大雑把さと繊細さが融合していてなおかつ今っぽい。その絶妙なバランスがハマったかなと思います。



静岡挽物とは木材を回転させながら刃物で丸みのある形に削ぎ落とす静岡県指定の伝統工芸。主にお椀や胡椒挽き、ソファや椅子などの足部分などで使用されている技術なのだそう。


百瀬:木を削る刃物自体も自分で叩いて作ります。お釈迦様の手の形みたいだから「しゃか」っていうらしいです。この刃の角度によっても全然削りの仕上がりが違うので、「自分の中でこういう湾曲を作りたい」ってイメージします。挽物師は自分自身の刃物を作れないといけないのですが、この刃物を作るだけで時間がかかってしまうんですよね。


百瀬:木と対話する感じで削っていますね。季節や、天気によっても木の状態は毎日変わってくるので。そうすると、木の方から「ここを削るといいんだぞ」っていうのを教えてくれるんです。


ーもともと挽物には興味があって、この世界に入られたのですか。

百瀬:最初は挽物ってものを知らなかったんですよね。ただ、もともと木の加工をすることが好きだったので、当時通っていたデザイン専門学校の先生に挽物の親方を紹介してもらいました。それをきっかけに、どんどん挽物の魅力にハマりましたね。


―ものづくりはもともとお好きだったんですね。

百瀬:子供の頃は親が結構厳しくて、ゲームを買ってくれないし、テレビも見せてくれなかったんです。そうなると必然的に自分でものを作らなきゃいけないし、自分で遊びを考えるじゃないですか。そこがルーツなんじゃないかなって思ってます。もしあの時にゲーム買ってもらっていたらプログラマーになってたかも(笑)。


ー湯本さんからSEE SEEのプロジェクトのお話を聞いてどう思われましたか。

百瀬:(湯本)ひろさんは自分が会った中でベスト3に入る発想力の持ち主だと思っていますし、魅力的な男性なんですよね。自分は挽ける技術っていうものを持っているので、それを掛け合わせればすごく面白いものができるんじゃないかなって思いました。今ここまでやってきて、実際できているとも思います。


ー湯本さんから新しい商品のアイデアを聞く時はどんな感じですか。

百瀬:毎回驚きですよ(笑)。それと同時に自分自身も挽物の可能性を感じますね。四角い木材を削っていくのでどうしても出来上がりは小さくなっていってしまうんですよね。本当は難しい技術なのに、そういう風に見られないことが多くて。だけど、SEE SEEではうまい具合に挽物の繊細さを伝えてくれているように思います。


ー新しいことをしたいという好奇心はどこから湧いてくると思いますか。

湯本:多分、飽き性なんですよね。一方で、一つのことをブレずにやっていく大切さも知っているので。自分の思うブランドの確固たる軸の中で、新しい刺激を求めてやっていくことに重きを置いていますね。シンプルだけど違和感を感じさせるっていうのが一番難しいですよね。


ーSEE SEEの今後の展望を教えてください。

湯本:いろんな伝統工芸が普及してきて、今っぽく変えていこうっていうブームの中で、しっかりSEE SEEっていうブランド力を持って価値のあるものを確立していかなきゃいけないなって思いますよね。その中の一つとして埋もれてしまうと今までやってきたものも報われないと思うので。スタイルが確立できればSEE SEEっていうものが根付くんじゃないかなって思います。

百瀬:伝統っていうのは繰り返し試行錯誤して、失敗しながら成長していくものだと思うんですよね。そういう意味では、このSEE SEEの取り組みが伝統工芸を変わらせてくれているとは思います。それに自分は妥協せずに技術を磨いていきたいです。


http://seesee-sfc.com
Instagram: @see.see.sfc

Text: Ririko Sasabuchi
Photo: Eisuke Asaoka


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