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ありのままの自分を誇れ!! ハードコア弁当が伝える真の自分

昨年、流行語大賞に選ばれた「インスタ映え」という言葉。その受賞を象徴するかのようにインスタグラムを開けば、見栄えを意識した写真ばかりがアップされている。優雅な休日、高級な料理、理想的な体型など、インスタグラムにはいつでも「いいね!」のための取り繕われた完璧な自分とライフスタイルが写し出されている。

でも日常がそんなに色鮮やかなわけがない。その「いいね!」ために撮影された完璧な写真が、リアルではないということは、すでに周知の事実であろう。そんな「インスタ映え」に飽き飽きしている中、キャラ弁やデコ弁の真逆をいく、全く「映え」しないお弁当がインスタグラムで話題を集め書籍化された。

ハードコア弁当。それはご飯にでき合い惣菜を1品乗せただけのお弁当。


お笑い芸人のホイップ坊やさん(@whip_bouya)が、約10年間食べ続けているお弁当。そのお弁当を何気なく「#ハードコア弁当」というタグをつけて、インスタグラムやツイッターに投稿していたところ、ある日突然異常なバズが起こったそうだ。

「10年前、バイトや仕事先で食べられるようにお弁当を作り始めたんです。最初は、普通の2段の弁当箱を使っていたんです。上にはオカズを2、3品、下にはご飯。でも毎日続けることが想像以上にしんどくて、3ヶ月ぐらいでお弁当箱を使うのを辞めちゃったんです。だんだんオカズが少なくなって、ある時”これタッパに入れるだけでいいじゃん”ってなったんです。それから、どんどん簡略化していった結果、ハードコア弁当という形になったんです」


呆気にとられるほど超絶簡素なお弁当だが、そのネーミングのセンスは、様々なハッシュタグが誕生しているインスタ上でも群を抜いている。写真の映えではなく、言葉の表現が実に心をくすぐるのだ。「簡単に言ってしまうと貧乏飯とかズボラ飯なんですよ。もともと節約のために始めたお弁当作りでもあるので。でもその表現ってSNSなどにアップするにはネガティブ過ぎるなって思ったんです。でもそうじゃない。このお弁当は”無骨さ”とか”本質”とか、そういうミニマリズムな表現なんだっていう自己弁護的な意味を込めてみたんです」

 

「ハードコアって音楽はもちろん色んなところで使われる表現ですが、その全てが”究極”だったり”原点”だったりを表しているように思ったんです。このお弁当も米とオカズのみ。言ってみれば究極で原点なので、ハードコアって言葉がしっくりきたんです」

作り方もそのネーミングを表すように豪快の極み。5号の米を炊いて5つのタッパに1号ずつご飯敷き詰める。そこに1品のお惣菜を乗せて、そのまま冷凍する。なんと一気に5個作るのだ。


そんなハードコア弁当で一躍話題を集めたホイップ坊やさんは、このタグで「インフルエンサー・アワード・ジャパン2017」部門最優秀賞を受賞している。今では1万6千人以上にフォロワーがいて、世界中のファンから多くのメッセージが届くそうだ。「意外にも女性のフォロワーやコメントが多いんです。”潔い!!”、”惚れた!!”なんてコメントや、”私もお弁当作りが苦手で、本当はこういうお弁当持っていきたいんです”とか”家ではこういうご飯食べています”なんて言ってくれる人もいます。海外の人も見てくれているようで、サンフランシスコの主婦が”ビューティフル!!”ってコメントをくれたり、中国の方は”頼むから野菜を食べてくれ、お前の食生活は死ぬ(笑)”なんて言われたこともありましたね」


一見ただのズボラ飯。でも表現一つで世界中から注目を集めることもできる。このハードコア弁当が流行っている裏にはそんなメッセージが隠されているのだ。これは不自然なほどに取り繕われた「インスタ映え」へのアンチテーゼなのである。お弁当作りに疲れたお母さん、金欠な学生やサラリーマン、そして「インスタ映え」に疲れた人たち、見栄えだけの投稿もいいけど、ありのままの自分に誇りを持ってみては。リアルな自分でもユーモア1つで人生は変えることができるはず。

ちなみにホイップ坊やさんが一番好きなハードコア弁当はハムだそうです(笑)。



ホイップ坊や
1986年、神奈川県生まれ。コントを軸にピンで活動するお笑い芸人。ご飯にでき合い惣菜を1品乗せただけのお弁当「#ハードコア弁当」で「インフルエンサー・アワード・ジャパン2017」部門最優秀賞を受賞し大きな話題を集めた。2018年、2月23日に主婦と生活社よりレシピ本『ハードコア弁当』を発刊。
インスタグラムアカウント:@whip_bouya

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