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大山崎COFFEE ROASTERSが自由なコーヒー豆焙煎所である所以


自分たちが気持ちよく働くために確立したスタイル

京都駅から電車で15分ほどの距離にある大山崎という土地で、コーヒー豆の焙煎をしている大山崎COFFEE ROASTERS。訪れるお客さんはお店の中で、オーナー夫妻の中村佳太さん・まゆみさんと会話をかわしながら好みにぴったりと合ったコーヒー豆を購入していくのが日常の風景となっている。長閑な街並みに広がる豊かな自然の中でコーヒー豆を焙煎して提供する中村佳太さんにお話を伺った。


―以前はビジネスコンサルティング会社で働かれていたとのことですが、コーヒーに魅力を感じたきっかけを教えてください。

元々カフェ巡りとかをするようなタイプでもなく、日常の中でコーヒーを飲むくらいでした。特に好きとか嫌いとか、考えたことがなかったです。けれども、結婚をしたときに、お義父さんがコーヒーメーカーをプレゼントしてくれたんです。エスプレッソで、かついろいろな味わいのエスプレッソを家で楽しんでいるうちに徐々にコーヒーが気になり始めました。


―最初は趣味として楽しんでいたコーヒーを仕事にしようと思ったのはなぜですか。

当時は仕事が忙しく、家にほとんどいないような生活をしていたんです。結婚して3か月くらいの時に東日本大震災があり、今後のことをいろいろ考える中で今の忙しすぎる生活スタイルを一旦見直して、東京を離れようと思ったんです。仕事をどうしようかと考えるよりも先に、自分たちの住みたい街を探すところから始まりました。


―ずいぶん思い切りましたね。全てを一新するような感じで動き始めたのですね。

東京を離れて夫婦で一緒にいる生活をしようと思った結果そうなりました。


―その中でこの京都の大山崎を選ばれた理由はどこにあったのでしょうか。

京都市内の人からするとあまり有名な土地ではないんです。でも京都駅から15分くらいの距離で遠くはない。実際に来てみると、街としてはコンパクトに収まっているのに、山や川があって、駅前を歩いてもなんかのんびりした感じに惹かれて、すぐにここにしようと決めました。


―その頃にはコーヒー豆の焙煎をやることは決まっていたのでしょうか。

そうですね。どうせならふたりが好きなことを仕事にしたいと思い、色々な案を考えていたのですが、大山崎と決める頃には、コーヒーに関するお店をしたいという気持ちは固まりつつあったと思います。最初まずコーヒーで思いついたのはカフェや喫茶店だったと思うのですが、その後焙煎所という選択肢が存在するなと思って。当時はまだ全然この街のこともよくわからなくて、カフェをやってどれくらいお客さんが来るかも想像できない状況でした。いろいろ考えていくうちに、焙煎所だったらネットショップでコーヒー豆を販売することもできるし、カフェよりもコーヒーにとって一つ前のプロセスから関われるのは面白そうだなと思い、とりあえず焙煎所を始めてみようかと。


―全然やったことがない分野に気負いなく踏み出せるのがすごいですね。

妻もそうなのですが、いい意味であまり計画性がないんだと思います。周りから見ると全てを投げ出して臨んだように見えることもあるみたいなんですけど、僕らの感覚からすると、すでにある程度の社会人経験を積んでいたし、駄目だったらやめて、また就職をすればいいやというのがあったんです。決してもう後に引けない状況にしたわけではない。だからある意味軽く動けたのかもしれないです。


―大山崎COFFEE ROASTERSでは、試飲をしながら自分好みのコーヒー豆が選べるというシステムになっているそうですね。

味の好みって実際に飲んでみないとわからないじゃないですか。(言葉では)こういうのが好みですと言っても、それが本当に好きなのかはたぶん本人もわかっていないケースってけっこうあると思うんです。例えば、どこかで飲んだ深煎りのブラジルが美味しいと思って、同じような味をどこに行っても頼むようになったとします。それはもちろん好みかもしれないけど、もしかしたらもうちょっとだけ浅煎りで、もうちょっとだけ甘みが強いほうが好きかもしれない。でも、それを知らないままでいるというのは、もったいないなと思っているんです。うちの場合だったら、時間さえあれば全種類でも飲んでもらえるので、そうしたら本当においしいと思ったものを選んでもらえる。


―すごくお客さん目線ですね。

いや、自分たち目線なんです。結果的にお客さんにとってもたくさん試せて嬉しいというのはあるかもしれませんが、自分たちにはお客さん目線という感覚はなくて、お客さんが本当に飲みたいと思ったコーヒー豆を持って帰ってくれないと僕らが嫌なんです。僕らがいかに気持ちよくお店をやるかが一番大事なんです。うちは木曜日と土曜日の週2日営業なんですけど、お客さんにとってはやっぱり毎日開けたほうがいいとは思うんです。だけど、僕らがいかに気持ちよく営業できるか、生活できるかというのを考えて最終的にこのスタイルになりました。


―自分たちが無理をするくらいならやらない方が良いということですね。

やらないことを決めると楽になります。それで生活ができなかったら考えなければいけないですが、暮らしていけている範囲内においては、特に目新しいことをやるつもりもないし、やらないほうが気持ちよく暮らせると思っています。結果的にいろいろなことを削ぎ落とすことになったというほうが正しい順番。


―中村さん自身の自由さが、お店の雰囲気にも影響しているのかなと思いました。

自由ですよ。僕もしゃべりながらいろいろなコーヒーを飲んで。もはや試飲という感覚もなく、のんびりと過ごしているお客さんもいると思います。社交場みたいになっていますね。夫婦二人とも自由だから、好きなようにやっていけるのかもしれないです。


―最後に、大山崎COFFEE ROASTERSを今後どのようにしていきたいですか。

今が最高に楽しいので、いかにこの状態を維持し続けるかということを一番考えています。お店を存続させるという意味もありますが、それを第一優先にしてしまうと売上が落ちたから新商品を入れなきゃいけないとかになるんですけど、それはしたくないので。いかにして今の自分たちのスタイルを続けていくかということには、神経を使っていきたいです。


中村佳太

1981年生まれ。結婚と東日本大震災をきっかけにビジネスコンサルティング会社を退社し東京から京都・大山崎に移住、2013年に夫婦でコーヒー焙煎所「大山崎 COFFEE ROASTERS」を創業。週2日オープン、挽き売りをしない、試飲提供と豆販売のみというスタイルで営業している。学生時代は地球惑星科学を専攻するも、卒業後は哲学に関心を移し10年以上独学で思索を続けている。興味の中心はテクノロジーや資本主義の未来。思索の内容はSNSなどで発信を続けている。

Twitter: @keitanakamu



今回、Drip Meisterを使用して大山崎COFFEE ROASTERSで販売されているコーヒー豆 “インドネシア マンデリン ポルン アルフィナ―”で淹れたてのコーヒーを抽出。自動でハンドドリップのような味わいのコーヒーを楽しむことができる優れもの。こだわりのコーヒー豆を購入して、気軽に美味しいコーヒーを飲みたいという人に是非体験していただきたい。

Text: Ririko Sasabuchi
Photo: Yuri Manabe

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