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書道家万美が共鳴する、緒方慎一郎氏の美意識


書道家として活躍する万美が「いつか到達したい地点」と話すのが、“現代における日本の文化創造”をコンセプトに、和食料理店の八雲茶寮、HIGASHI-YAMA Tokyo、和菓子店のHIGASHIYA、プロダクトブランドのSゝゝ[エス]などを展開する、SIMPLICITY代表でデザイナーの緒方慎一郎氏の世界。自身が主催する書道教室の生徒から、HIGASHIYAの豆菓子をお中元としてもらい、その存在を知った彼女は、そのときに受けた感動をこう話す。


「すべてがかっこいいこのお菓子はなんだ! と思って。お菓子自体はもちろん、パッケージもイカしてて。もらった豆菓子を、オフィスをシェアしてるメンバーと食べたんですけど、パッケージのすばらしさについて1~2時間話しあったくらい(笑)。それからは、HIGASHIYAさんのお菓子を買っては、自分のことのように自慢して人にプレゼントすることを繰り返してます」


そこから緒方氏の著書『HIGASHIYA』にたどり着いた彼女は、その世界観全体に深く共感したという。

「行きつけのカフェに置いてあった『HIGASHIYA』を読んで、あまりにおもしろかったのでその後自分でも買って。一文一文に深く頷きながら読みました。今後の自分の方向性の頼りになるような言葉がたくさん書いてある、カウンセラーみたいな本だったんです」


HIGASHIYAのディスプレイやお菓子は、古く日本で使われていた暦の二十四節気ごとに変わってゆく。そのように伝統を大事にする一方で、提供されるお菓子やお茶、店内のしつらえやお皿は、古くからの様式を活かしつつ、よりモダンに、現代の日常になじむようなバランスにアレンジされている。時代にフィットしたスタイルにアップデートすることで、次世代に文化を繋いでいく――彼女がシンパシーを感じた緒方氏の思想は、書道とストリートカルチャーが融合したスタイルを貫く彼女とも共通しているように思える。

「今の私の作品は、まだストリート色ばかり強くて、初期衝動的な部分が大きい。もっともっと洗練させて、HIGASHIYAのお店にもなじむような作品が書けるようになりたいですね」


Text: Yuri Matsui
Photo: Takao Iwasawa
協力: HIGASHIYA GINZA

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