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ミスターチーズケーキを手がける田村浩二の思う“人生最高の食”


食べる人のことを考え作られた「美味しさ」とは

今SNSを中心に話題を呼んでいる「ミスターチーズケーキ」。その芳醇な香りと豊かな味わいから、"人生最高のチーズケーキ"をキャッチフレーズに、多くの人からの支持を得ている。このミスターチーズケーキを手がけているのは田村浩二さん。元フレンチシェフでもある田村さんの目指すミスターチーズケーキの在り方や飲食業界の未来とは。ご本人に直接お伺いした。


− 元々フレンチシェフだった田村さんが、チーズケーキを作ろうと思ったきっかけはなんですか?

幼い時から誕生日のケーキは、母親の作ったチーズケーキでした。なので、元々チーズケーキが好きだったんです。でも、世の中に売っているものを食べても感動するものに出会えなくて。それなら自分が美味しいと思う究極のものを作ってみようと思って、趣味で初めたのがきっかけです。それを自分のSNSにあげたら広がっていきました。


− 今まで働いていたレストランをやめられて、チーズケーキの事業を始められた理由はなんでしょう。

レストランで働いていた時は、年間で180皿くらい新しいメニューを考えていたんです。それらは全部自分の分身みたいなものだったんですけど、その中で本当に納得できるものが10個もなくて。それだったら一つ本当にいいものを作って、ずっと愛してもらえるようなものを作った方が、一生懸命考えた甲斐があると思っていたんですよね。



− 確かにミスターチーズケーキのレギュラーメニューは一種類のみですね。

一種類しか出さないというのは勇気が入ります。けれど今、世の中には商品が多すぎて、お客さんは選ぶのに疲れてるんですよね。だいたいの人が、たくさんメニューが並んでいるのを見ると、「おすすめはどれですか?」って聞きますよね。それなら一番人気のものだけでいいんじゃないかなと僕は思っています。 また、全員が同じものを食べて、同じ情報を共有できるって環境を作った方が、その商品に対する信頼っていうのもお客さんから見えやすいですし、僕たちからすれば、毎日同じものを作っているから、日々いろんな変化にも気づける。レギュラー商品を一種類にするっていうのはお互いにとってメリットがあると思っています。


− ミスターチーズケーキは「人生最高のチーズケーキ」というキャッチフレーズがつけられています。どのような意味が込められているのでしょうか。

僕の中で、世界一美味しいものを作ろうという感覚はあまりなくて。世界一の定義も難しいですし、食べる人によって好みは違うし。だから食べた人それぞれにとっての人生最高の味になればいいなと思ってこのようなキャッチコピーをつけました。


− こだわりのポイントなどはありますか?

一番こだわったのは食感です。レストランで出されるデザートみたいな食感の儚さを意識しました。通常の配送では崩れてしまうから冷凍しなきゃいけないんですけど。冷凍から解凍しても状態が変わらないように工夫しています。また、冷凍状態・半解凍・全解凍の状態で味と食感が変わるように作っていて、溶かすのを待ってる時間も楽しめるような食感を出すのには苦労しましたね。


− 香りも豊かで特徴がありますよね。

一般のチーズケーキにも入っているバニラとレモンに加え、トンカ豆というスパイスを入れています。この3つの相性が良くて、混ざると全体としての香りのボリューム感もすごく増えるし、味も“新しいのに懐かしい”ような味わいになるんですよね。これはすごく印象に残るんじゃないかなと思っています。また、トンカ豆とバニラの香りで甘さを感じやすくなるので、チーズケーキ自体の砂糖の量もギリギリまで減らしています。


− どのような思いでこのミスターチーズケーキを作られているのでしょうか。

チーズケーキを注文してから食べるまでの全ての時間を含めて幸せになれる人が増えたらいいなと思っています。あとは、やはりいろんな人に知ってもらいたい。年齢とか性別とか国籍とかを選ばない商品だと思っているので、海外でも広げていきたいです。自分が美味しいと思うものを作って、それを共感してくれる人が増えれば嬉しいですね。


− 先日レシピ本(『フレンチシェフが作る「人生最高! 」の肉じゃが』)を出されていますが、その中にもチーズケーキのレシピが入っています。レシピに落とし込む際に苦労した点はありますか?

基本的には、自分が面倒くさいと思う仕事は人に振りたくないという気持ちがあって。なので、計量がすごく細かいとか、そういうのはやりたくなかったんです。クリームチーズだったら1kgのサイズが売られているので、それを使い切れるような分量でレシピを組むことを意識しました。誰がやっても再現できて、なおかつすごく美味しいレシピを考えられる方が、僕は大事だと思っているので。


− チーズケーキを作られている他にも、元フレンチシェフであったり、レシピ本を出版されたりと田村さんはいろんなことに挑戦されています。今後の取り組みについて教えてください。

今はチーズケーキの事業をやりつつ、個人でフードテックのアドバイザーや商品開発などの相談に乗ったりしています。単純に美味しいものを作る以外にも、ベビーミルクや介護食のような明確に“誰かのためになる食”も大事にしていきたいので。全然手が加えられてない食のジャンルをより良くしていくことで、人の生活自体が良くなっていけばいいなと思っています。


Mr. CHEESECAKE

mrcheesecake.official.ec
Instagram: @mr.cheesecake.ny

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