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原宿で食す「麺散」うどんの新境地

“安い・早い・うまい”を実践する
職人の技に色づけされた至極の旨み



フードシーンを席巻する美味しい名店。みんなのおなかも、インスタグラムも同時に満たしてくれるスポットには行列が並ぶことも珍しくなくて、あの人やこの人、きっとみんなも行きたくなる。そんなシーンが、今、ストリートカルチャーにとって、決して小さくない部分を占めている。なぜなら、僕たちのおなかはいつでも、新しくておもしろくて、“美味しい”今日を探しているのだから。ストリートシーンが生まれる場所、東京・原宿。常にアップデートされ続けるこの街に、フードシーンの新しい可能性を、黄色のキッチンカーに乗せて発進する『ONE』の“だし巻き卵ドッグ”。本物の職人さんが作る、本物のおダシの香りをカルチャーに色づけて提供するこの場所に、もう一つの看板を背負うのが『麺散』。もちろん、職人さんが打ってくれる、本当に旨いうどんを、キャットストリートからほんの少し入ったこのお店で味わうことができる。味にも、デザインにも、様々な想いを込めた『麺散』に大切に手をかけてオープンさせた岡田茂さんにお話しを聞いてみよう。


− 原宿でうどん屋って、それもこんなにかっこいいお店というのはさすがですね

「たまたまタイミングよくうどん屋さんになったということなんですよね(笑)。あまり格好よくないんですけど。でも、あくまでも僕自身は職人ではないので、僕がっていうよりも、やっぱりうどんを打つ人がいて、そのうどんをどこまで広げられるかということが僕の役目なので、職人さんがいて、うどんがあって、僕はそれに肉付けをしていくことが好きですね。」


− じゃあ蕎麦よりうどん派ですね?

「いや、元々は蕎麦の方が好き(笑)。……でも、やっぱり今はうどんの方が好きですね。」

− 『麺散』に込めたこだわりは何ですか?

「僕は浅草で生まれて、東京で育って、一回沖縄に行って、そこにはアメリカの文化があって、東京を離れることで、外から見ることができましたし、実は東京に戻る前にアメリカに3、4ヵ月くらい働いて住んでいたんですけど、元々、食べ歩きが好きで、美味しいと言われているところに、自分なりに興味があるお店には行ってて、色んなところの文化を見ながら、自分の頭の中で“こういうお店だったらいいな”とかいうことはありましたね。」

− では、今、そのことが表現できた形ですね?

「よく言われることは、“ミックスっぽいよね”ということです。アメリカでもなくて日本でもなくてっていう。でも、そういうことが根底にはありますね。」


− 確かに店内も純然な和だけではないですよね。でも、やっぱりその場でうどんを打って、提供するって結構本気ですよね?

「職人さんが仕事しやすいように、環境は整えましたね。」


− やっぱり原宿やストリートカルチャーへの想いもあってのこの場所ですか?

「ないっす(笑)。僕が語れるほど、そこまで深く入り込めてないですけど、子供の頃から原宿には来ていましたし、やっぱり僕も洋服好きだったので、高校生くらいの時は、尾花さんがやっていた、今はなき『go-getter』に行って古着を買ってたり、『CASSIDY』にも行ってましたし、『プロペラ』とか、色々行ってましたね。」

− そういう場所で、今、働いているわけですね?

「昔も今も、やっぱり若い人の街なんじゃないかな。渋谷もそうなんですけど、原宿って圧倒的に人がすごいですよね。そこが魅力です。」


− 岡田さんオススメのメニューは?

「これはスタッフとも、いつも話していることで、言い方はすごく失礼でよくないんですけど、温かいうどんはごまかせるんですよ。ですけど、冷たいうどんはごまかしが効かないですね。だから、オススメというか、やっぱり一番は冷たいうどん。うどんの“三たて”と言われている“挽きたて”・“打ちたて”・“茹でたて”に通じるものです。寒くなってくるとやっぱり温かいうどんも美味しいんですけどね(笑)。冷たい方のうどんの本来の味を楽しんでもらいたいです。」


− 天ぷらもすごく美味しそうです

「天ぷらに使っている揚げ油にもこだわっていて、カラッと揚がっててすごく美味しいと思います。余計なことは一切していなくて、本当に素材のままの美味しさを楽しめます。うちのPRは海老丸がオススメらしいです(笑)。」

− これだけ美味しさを込めていたら、お客さんの反応も良いのでは?

「どれだけ“三たて”でお時間かかりますと言っても、やっぱり、“安い”・“早い”・“うまい”を目指してます。今、僕らが一番気にしているのはそのことですね。店を夜中まで休憩なしで開けっ放しにしているのも、みんなに来てほしいということを意識しているからです。原宿という街にいると、色んな人のランチタイムってあると思うんですよね。みんな時間がない中で来てくれるんですけど、どうしても時間がかかっちゃうんですよ。ここらへんは僕らも、もっと頑張りたいところです。日本の人もそうですし、ここを目指して来てくれる海外の人だったり、色んな人が入り乱れている不思議な空間にしたいんですよね。」


− オープンしてから一番嬉しかったことは?

「僕はたまたま、うどん屋がやりたいって発起人にすぎないんですけど、もちろん僕だけの力でやっている訳ではないですし、今、新しいチームとして前へ進んでいくので、僕の中で不安もありました。それでも、そのための準備はして来て、もうすぐオープンから1ヶ月経つんですけど、1日に200人以上のお客さんが来てくれて、スタートとしては悪くないどころか、すごく良いです。だからこそこれからやっていきたい中で、やっぱり一人でも多くの人にウチのうどんを食べてもらいたいということと、“他のうどん屋さんと全然ちがうよね”って言ってもらえることはすごく嬉しいですし、そういうことをもっとやりたいですね。」


− ここだけの話、大変なことはありますか?

「何店舗も立ち上げてきたんですけど、いつやってもスタートは大変だなあっていう(笑)。今は一人でやっている訳ではないので、会社として少しでもみんなが働きやすい環境を作ることが僕の課題でもあります。そう言ったチームを作ることも大変だし、店を作ることも、味を作ることもすごく大変なので、ダシに至っては今でも毎日試行錯誤していますよね。」

− じゃあ、日々かわっているんですね?

「そうですね。まだ進化途中です。」

− 『麺散』のうどんと『ONE』の出汁巻き卵ドッグに共通する美味しさの秘訣を教えてください

「妥協してないからですね。いっぱい妥協したいんですけど(笑)。一切手を抜いていないので、まだまだこれからもっと美味しくなっていきますよ。あとは、お客さんにお出しするまでのスピードが大切ですよね。」


ストリートカルチャーが生まれ続けるストリートから世界へ羽ばたこうとする『麺散』のうどんと岡田さんの見るビジョン。原宿に誕生したフラッグショップから発信する“旨い”の形は、決して満足することなく、次へ次へと進化している。『麺散』の体現するものこそが、これからのフードシーンと、僕たちのぺこぺこのおなかにとっての大いなる喜びにつながっていく。


麺散
東京都渋谷区神宮前6-13-7 グランドオム1F
営業時間:11:30~23:00
定休日:月曜日
Instagram:@menchirashi_one

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