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圧倒的な画力が生み出す熱量のあるマンガ

自分の好きな絵を描いて生きていくために

イラストレーターであり、マンガ家でもあるマッチロ。「不思議の国のアリス」をモチーフに描かれるSFダークファンタジー「BIBLIOMANIA」は第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員会推薦作品に選出された。精緻を極めた圧倒的な画力で、一枚の絵に込められた熱量には誰もが目を見張るはずだ。そんなマッチロに制作について話を聞いた。

—イラストレーターとして描き始めたのはいつからですか。

もともと桑沢デザイン研究所にイラストレーター志望で入学しました。でも、イラストレーターは基本ひとりで作業をするのですが、ぼくにはそれがさみしくて(笑)。だから卒業後はグラフィックとエディトリアルのデザイナーとして、5年くらい会社員をしていました。



—デザイナーからイラストレーターに転向したきっかけは何ですか。

2011年の東日本大震災を経験して、「短い人生のなかで、自分が本当にやりたいことはなんだろう」、「いまの仕事でいいのか」と、自分の人生を見つめ直したんです。そうしたら、やはり自分は「イラストレーターになりたい!」と思ったんです。どうせやるならば、まずは知名度をあげようと思って描いたのが『ツブアンマン』というアンパンマンのパロディマンガでした。それがそこそこバズって3万RTくらいいきました。いまのSNSの世界では10万RTくらいいく投稿も多いなかで、当時はいまほど数が多くなかったんです。結果的に『ツブアンマン』のtwitterのRT数は、その年の下半期2位になりました。


—それはすごい! 一気に知名度があがりましたね。

そうですね。ぼくの絵は寺田克也さんの影響をものすごく受けているのですが、『ツブアンマン』のころは、自分でも寺田さんの絵柄と似てしまうことに少し悩んでいました。実際にSNS上でも「似ている」と言われたりしていたのですが、そんなときに『ツブアンマン』を見た寺田さんご本人からメッセージをいただいたんです。

—直接、ご本人からですか。

はい。本当に驚きました。なので、似てしまうことを直接ご本人に相談したら「そんなに似ていないよ」と言ってくれて。その言葉で、思い込みが溶けましたね。違う絵柄にも挑戦しているので、いまのぼくの絵はデフォルメが強い方向になっています。それからは、寺田さんには何かあると、連絡をして相談に乗ってもらっています。最近だと、阿佐ヶ谷Voidの個展で販売する絵の値段設定とかも相談しました。


—マッチロさんは寺田さんの影響もあるし、フランスのバンド・デシネ(B.D)のような雰囲気を想起させますよね。ORVAL(おおばる)さんを原作に迎えた『BIBLIOMANIA』は文化庁メディア芸術祭審査員会推薦作品にも選ばれるなど、「マンガ家」としても活動を始めています。

『BIBLIOMANIA』は先日、書籍版を個人出版で発売したのですが、ありがたいことに完売しました。デザイナーから出発をして、イラストレーターとしての仕事をしてきましたが、マンガ家というのはさらにその先に進むことだと思っています。いまの気持ちとしては、漫画の方に重点を置いていきたいなと思っています。



—今後はマンガ方面でやっていきたいということですか。

はい。自分の描きたい絵を描いて生活をするために、日々模索をしていますが、マンガとなるとストーリーも必要になってきます。ぼくの場合は、まだまだストーリーを考えるのは得意ではないので、これからもっと勉強をしていきたいですね。



—いまはアナログで作画をされているんですか。

基本は紙にペンで描いて、着彩しています。マンガで使うようなスクリーントーンは使わないんですよ。どうも仕上がったときの熱量が足りない気がして。マンガ家さんは、アシスタントさんを入れている場合が多いですが、ぼく自身がアシスタント経験がありませんし、自分の絵で、どう頼んでいいのかもわからない。だから基本は一人で描いています。『BIBLIOMANIA』を描いているときも、ずっと一人で、本当に大変で…。イラストの仕事も並行してやっていたので1日に8、9時間描いても、1週間で4枚くらいしか進まないんです。


最後に、今後の活動についてお伺いさせてください。

いまはイラストレーターとしての仕事が9割くらいですが、マンガをもっともっと描いていきたいですね。アクションやSFなど、自分にはどんなジャンルが合うのか、いろいろ試しながらマンガ家としてやっていきたいと思っています。


マッチロ
イラストレーター、漫画家。作画を担当した『BIBLIOMANIA』が文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品に入選。REDBULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019で88risingのイラストを担当。

Instagram: @macchiro_

Text: Rie Noguchi
Photography: Junko Yoda [Jp Co., Ltd.] 


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