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DJ KOCO a.k.a. SHIMOKITAが第一線にいる理由


世界のDJからリスペクト 稀代のターンテーブル・アーティスト

憧れのDJ、キッド・カプリがよくかぶっていた帽子にあった言葉のイニシャル“KC”、昔よく通っていたレコード屋の店長が安易につけたあだ名“SHIMOKITA”、そうして生まれたのが今や日本を代表するDJ、DJ KOCO a.k.a. SHIMOKITAである。ヒップホップを中心にあらゆるジャンルを縦断し、目にも留まらぬ早業で7インチを次々とつなげていく彼の姿に世界が魅せられている。先日アメリカ・ラスベガスから配信されたボイラールームでは、機材トラブルに見舞われながらも見事なプレイを展開させた。

今回は、ヒップホップ黄金期から時代を駆け抜けてきたDJ KOCOにこれまでのキャリアを振り返ってもらった。



− アメリカ・ラスベガスでのプレイ動画を拝見しました。セットリストは事前にある程度決めていってたんですか。

持って行けるレコードの枚数も限られているんである程度は組んでいって、それにプラスしていろいろ持っていて、その場の雰囲気で「これかけてみようかな」って。


− かける曲をガチガチに決めて臨んだとしても、あれだけ細かくつなぐのはかなり大変そうに見えます。

まあ、出来不出来は現場によって違うんですけど、スキルは日々の練習だし、僕は「やれば何でもできる」っていう考え方だから大変ではないですね。(ターンテーブルには)毎日触ってるんで、ミラクルもたまに起こったりするし。


− やっぱり相当練習はしてるんですね。

してますね。朝早くに起きて子供が起きるまで練習して、子供を保育園まで連れてって、帰ってきてからまた練習して、昼どきになったら外に出てレコード屋さんに行ったり……っていうルーティーンです。


− 時間のやりくりが大変じゃないですか。

むしろ、時間をいかに有効的に使うか考えるようになりましたね。限られた時間で練習したりするほうがダラダラするよりもいいし。もっと時間が欲しいときもあるけど、そういうときは寝なければいいだけなんで(笑)。だから、普段は毎晩10時には寝てます。早く寝るのはいいですよ、疲れもよく取れるし。20分ぐらいの昼寝も絶対しますね。


− 最近は様々な国からオファーがあるそうですね。ご自身ではなぜ今みたいな状況になったと分析していますか。

好きなことを一生懸命やってるからだと思います。人それぞれ違うと思うんですけど、僕はお客さんが好きな曲をかけるより、自分が好きな曲をかけてお客さんに楽しんでもらいたいタイプなんですよ。……元々、僕はレコードを集めるのが好きなオタクで、オタクだけどお客さんに楽しんでもらえるようにプレイするにはどうしたらいいか考えながらやってたんです。それを今でもずっと続けてる感じですね。


− じゃあ、最初は見よう見まねで。

自分の周りにもDJをやってる人がいたんで、そういうのを見て真似したり。あとは、その頃ヒップホップをよく聴いてたんですけど、向こう(アメリカ)のDJのミックステープを聴きながらそれと同じプレイができるようにしてみたり。


− KOCOさんは今、7インチのみを使ったDJをされてますが、何かきっかけがあったんですか。

震災のときにレコードが全部倒れちゃったんで、棚を低くしたんですよ。そうしたら12インチが置けなくなっちゃって。だけど7インチなら増えてもいいかなっていうのがひとつ。あと、その頃は12インチでよくやってたんですけど――こういう言い方が合ってるかわからないですけど、現場でのドキドキ感が減ってたんですよ。でも7インチは難しいから、内心「やべーやべー!」って感じでやるのがけっこう楽しくて、それで火がついちゃって。「極めようかな」って。


− 7インチでDJをする難しさを説明してもらえますか。

レコードが小さい分、盤がちょっとでも反ってると針が飛びやすくなるんですよ。あと、12インチと同じようにバックスピンすると針が飛んじゃうし、女性を触るように優しく扱わないといけない(笑)。だからいろんなスキルが必要になるし、7インチのDJはよりセンスが問われると思います。


− 最初は苦戦したんじゃないですか。

相当ですね。僕、昔は12インチに7インチを貼り付けて使ってたぐらいですから。でも、できるようになるまでは大変だったけど、それを辛いとは思わなかったし、練習だとも思ってなかったですね。ただ好きなことをやってただけで。


− 選曲も少し変わったそうですね。

それまではヒップホップ中心でジャグリングもガンガンやってたけど、7インチで同じようにジャグリングするのはすごく大変なので、ジャンルの幅を広げて、ジャンルレスだけどやり方はヒップホップ的な感じでできたらって考えるようになりました。


− KOCOさんが海外でプレイしていて感じることはありますか。

向こうの人って反応がダイレクトなんですよ。今となっては僕のことをわかってくれてる人も多いですけど、昔は「なんだ、この日本人は」って感じの態度で、DJが終わるとコロッと変わる。次の日に街で会うと「あー! KOCOが来たー!」みたいな感じになってたり(笑)。「ああ、いいものはいいってみんな認めてくれるんだな」ってそのときにすごく思いましたね。


− DJを志している若い子も多いと思いますが、KOCOさんなりにレコードカルチャーをサポートしていきたいという気持ちはあったりしますか。

レコードを買う人とか、レコードでDJをやる人が増えたらいいと思ってますよ。僕のインスタに練習動画を載せてるんですけど、それは「7インチでもこういうことができるよ」っていうことを伝えたいっていう部分もあるんですよね。DJの絶対数は多いほうがいいと思うし、そうすればレコード屋さんも潤って買い付けに行くサイクルも短くなって、結果として僕らにとってもプラスになりますからね。

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