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DJ NOBUが対峙するダンスフロア 前編

3年ほど前から定期的に、毎月海外での公演を精力的にこなし、海外のプロモーターやオーディエンスからの信頼を勝ち取ってきた日本を代表するDJ NOBU。2017年、錚々たるアーティストが出演するアムステルダムのフェスDekmantel Festival UFO STAGEでトリを務めたり、ダンス・ミュージックの聖地とも言われるドイツ・ベルリンのBerghainでも定期的にDJプレイを行っている。国内外のローカルなクラブから、ビッグフェスまでラインナップに彼の名前を見かけない日はない。彼は、日本だけでなく世界を代表するDJの一人として数えられるだろう。

パンク、ハードコアの影響を受け、様々な出会いを重ねDJへと傾倒したDJ NOBUのスタイルは、現行のオーセンティックなテクノを中心としながらも、ときにジャンルを横断しながら、物語を紡ぎ出すものだ。そしてその物語はフロアとの対話の中で無限に分岐していく。


ーオーディエンスと共に成長する

DJ NOBUは、3年前に海外のエージェントと契約し、マネージャーらと共に二人三脚でヨーロッパを中心としたクラブシーンでコンスタントにギグを行い、ビッグフェスのヘッドライナーを務めるようにまでなった。彼はその成功を自分だけの力ではなく、「自分に期待してくれて、自分がやりたいようにさせてくれたオーディエンスのおかげ」と語る。


ここ数年、連続して出演しているDekmantelにて、昨年彼はフェスの1ステージの最後を締めくくる大役を努めた。もちろん彼もヨーロッパでの活動スタートさせた当初はチャレンジする側だった。遠く離れたヨーロッパへ遠距離の飛行機を乗り継いだ巡業を繰り返し、繰り返しすることで、Dekmantelの重要なスロットを任されるまでにいたったのだ。彼は「特別なプロモーションを行ったとかそういうことではく、真摯に目の前のオーディエンスと対峙してきただけで、むしろオーディエンスが自分自身をこのステージにまで押し上げてくれて、やりたいことをやればよい、という自信を与えてくれた」とオーディエンスの重要性を説明してくれた。やはり昨年のDekmantelのオーディエンスのリアクションも素晴らしく、自分自身の力をさらに引き出してくれるような感覚になったそうだ。

ーオーディエンスを深く観察すること

DJ NOBUがDJをしているところを注意深く見てみよう。選曲やミックスの最中以外、彼はダンスフロアを鬼のような形相でジッと見つめている。オーディエンスがDJ NOBUに注目するより、ミックスや選曲と同じくらいの比重で、彼はフロアとオーディエンスをずっと観察している。

DJ NOBU「まずはお客さんの表情を観察することだね。お客さんからすれば嫌かもしれないけど。(笑) 盛り上がっているかどうかだけでなく、新しい事に挑戦するプレイは大事だから、それを受け入れてくれるかどうかとか様子を見たりするね」

DJ NOBU「こんな完璧なMIXの仕方あるぜとか、こんな曲見つけてきたぜっていうことも大事だけど、フロアを見ることも大事。お客さんの表情、動き、温度、熱気、湿度、いろんな情報に敏感にならないといけない。選曲やMIX等の最低限のスキルはもちろん大切だけどね」


ーオーディエンスだけでなくすべてを感じ取ること

フロアを観察し、そして膨大な現場の経験に裏打ちされた百戦錬磨のDJ NOBUも、台風に見舞われた昨年開催のフェスLabyrinthでのステージには少し手を焼くかもな、と思ったそうだ。しかし自分の出番前、Labyrinthでレジデントを務めるアーティスト2人が彼にこんなアドバイスを与え、それが大きな気付きになったそうだ。

DJ NOBU「自分の出番前に台風のピークが近づいちゃって。自分の出番は2日目のピークタイムだったんだけど、何年か前にLabyrinthのレジデントの2人から苗場でのプレイのアドバイスをもらっていたことを思い出したんだよ。『天気が頻繁に変わるし何が起こるか分からない。やることをガラッと変えないとダメな時もある』って。『2011年のLabyrinthでやった時、大雨だったのを覚えているか?あの時、考えてきたこと、用意してきたことをすべて捨てて、みんなをポジティブにするためのセットに変えたんだ』ってね」

「だから、雨とか、風とか、夕日とか、環境の変化に合わせるのは当然で、荒天の厳しい環境の時にフロアのテンションが自然と上がらないような状況の中で、渋いプレイをするよりも、みんながもうすこしポジティブになれるような雰囲気にもっていったりとか、臨機応変にしていくことの重要性にまた気付かされたかな」と、経験を語ってくれた。


後編ではDJ NOBUにそのベルリンにある特別なクラブでの体験を語ってもらう。

後編はこちら:https://kode.co.jp/Articles/music-dj_nobu_and_dancefloor


INTERVIEW & PHOTOGRAPHY : Jun Yokoyama

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