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表現者PANORAMA FAMILYが、PANORAMA FAMILYたる「根源」(後編)


フォトグラファーとしての活躍の裏にあるもの

ラッパー、トラックメイカー、フォトグラファーと様々な顔を持つPANORAMA FAMILY。ジャンルを超え第一線で活躍する裏には、彼自身が通ってきたカルチャーの下支えがあるに違いない。前編では彼が歩んできた道筋を辿ったが、後編では写真を撮影するに至った背景に迫り、表現の幅を拡張する彼が、次に挑むことについて伺う。


—フォトグラファーとしても活動されていますが、どのようなきっかけで写真を始められたのですか。

僕の実家は宮城県沿岸の女川町という小さい町で、東日本震災があったときに流されちゃったんです。震災のすぐ後に親父が死んで、遺影をどうしようかというときに、やっと見つけた写真もレタッチの甘さが目立つ写真でいまいちだったんですよね。そこから、自分でも写真を始めてみようという気持ちになったものの、カメラって高いからなかなか手を出せずにいました。


—そんな中でカメラを手にすることになったきっかけは何だったのでしょうか。

学芸大学にある家系ラーメンのお店に入ったときに、いつもはチャーシューを追加するんですけど、「今日はいいかな」と思ったときがあって。「いつもより300円ぐらい浮いたな」と思いながら、店の外に出てベンチに座ったら、目の前がたまたまカメラ屋で。値段だけでも見て帰ろうと思ったら、中古のカメラが320円で売っていたんですよ。いまフィルムカメラはすごく人気ですけど、当時はそんなこともなく安かったんですよね。本当に偶然なんですけど、そこからです。


—目の前に中古カメラ屋がなかったら。

やっていないと思います。何万円もするんだろうなと思っていました。それにチャーシュー食べてたら、買えなかったかもしれないです(笑)。


—最初に何を撮りましたか?

その日がすぐ友達のライブだったので、新宿ロフトに行ってパシャパシャと。普段はスケートに限らず、撮りたいと思ったとき撮っている感じです。強いていうなら、人を撮ることが多いかもしれない。当時は遺影を撮れるように、というのが強かったですけど、今は楽しいから、写真でかっこいいのが撮れたらという気持ちが勝っていますね。たまたま撮っていたら、ギャラリーをやっている先輩が「個展とかやってみたら?」と声をかけてくれて。そこでの反応が意外によくて、いろいろ仕事をいただくようになりました。



—今日はチェキを使ってスケーター仲間の方々を撮っていただきましたが、いかがでしたか。

すごく面白かったです。従来のチェキって撮り直しがきかなかったから、スケーターを撮るのは難しかったと思うんですけど、これはデジタルで何回でも撮り直せるからいいですよね。印刷したい写真も選べますし。


―普段はどのようなカメラで撮影されるのでしょうか。

色々使いますよ。フィルムもあるし、iPhoneもあるし、デジタルカメラ、何でもありです。


—音楽に写真にスケートに、様々なことをやられている中で、自分の活動の主軸はどこにあると思っていますか。

音楽ですね。でも写真を撮るときも気持ちとしては同じなんです。自分が気持ちいいと思う瞬間を、両方表現しているだけで。


—PANORAMA FAMILYさんが感じる「気持ちいい瞬間」とはどのような瞬間なのでしょうか。

いろんなやり方があるんでしょうけど、僕は音楽をつくるとき、リズムがまずあって、その次にどんな音が入ったら気持ちいいかを探すという感じなんですよね。それを1個ずつやっていって、集合体として心地よい曲ができていく。写真も同じで、最初にある場所で、被写体の雰囲気とか、服装、光の当たり方みたいなものが一番いいところを自分で探して、「ここ」というポイントで撮ることが多いですね。


—音楽でいうと、自分にとって気持ちいい音の癖など、あったりするんですか。

もちろんあります。ギターとかだと、つい同じようなフレーズを弾いてしまうことが多いです。それはわざとやっているところもあるので。シグネチャーサウンドというか。人の音楽を聴いたときに、やっぱり何か「この人っぽい」という方がいいかなと。


—写真集も今までにいくつか作られていますよね。

テーマを設けて色々と作っています。一番左の『PARANOIA SLAPPYS』は、若くて上手なスケートボーダーではなくて、年を取ってからスケートを始めて、「スラッピー」というトリックに固執する人たちと、その周囲のスケーターに狙いを定めて撮影したものです。年を取ったスケーターや凄いトリックにフォーカスしない写真集って、あまりないなとずっと思っていて。


—なぜそういう人に焦点を当てて写真を撮ろうと思われたのですか?

縁石に対して、オーリーせずにトラックを当て込みグラインドするというものが「スラッピー」というのですが。めちゃくちゃ広いパークがあっても、その技を練習するために、縁石のところにしかいないんです。どれだけ炎天下でも一箇所で黙々と。なぜかそれを見ていたらすごく興味が湧いて、何でそればかりやるんだろうと思って撮りはじめたんです。歳を取ってからはじめたというのもすげえかっこいいし、そういう写真って今までになかったなと思って。


—なにか心動かされるものがありますね。

5年間撮り続けているんですけど、5年目にトリックができるようになった人とかも。全く出来なかったのに、頭でずっとイメージしたことをやっていたら、できるということにものすごい感動して。あ、これは1冊にまとめたいなと。


—それぞれ面白さがありますか。

ありますね。やめてからもう一回やり出した人とか、年取ってから始めた人とか。別に、とても大きな階段を跳ぶような派手さはないですけども、そういう面白さだけじゃない。本当にうまいスケーターへのリスペクトはもちろんありつつ、そこ以外の部分にもスポットを当てたものがあってもいいんじゃないかなと思って撮っています。


—スケーターの人たちが、何かにとらわれずに自分たちそれぞれのスタイルを構築しているのが格好いいです。PANORAMA FAMILYさんのこれからのことを教えてください。

今は東京限定で植物を撮るという展示をやりたいなと思っています。もうちょい先になるとは思うんですけど、良い形でまとめられたらと思っています。それと、僕のギタリスト、トラックメーカーとしての別名義であるTOMMY HONDAというプロジェクトでアルバム『Make yourself at home』が配信・発売になりましたので、是非聞いてみて欲しいです。


PANORAMA FAMILY
宮城県女川町出身、東京都在住のHIPHOP/RAPアーティスト。渋谷organ barでのレギュラーライブを中心に、楽曲提供・客演・CM音楽などで活躍。「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」や「COUNTDOWN JAPAN」など大型フェス出演経験も多数。2014年から写真家としても活動し、2016年3月に刊行した写真集『fastplant』は発売後即SOLDとなる。2017年の12月には、中野区のローカルスケートスポットで出会った仲間たちを追った個展『PARANOIA SLAPPYS』を開催。

Instagram: @gomezpanorama

Interview: Ririko Sasabuchi
Text: Shunpei Narita
Photo: Masakazu Kouga


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応募期間:2019年8月15日(木) 11:00 ~ 2019年9月24日(火) 9:59

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