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ニュージーランド発BASSMENTが拓く音楽世界

すきなようにやりたいことをやる
KATANAが斬るNEW WORLD



少し前まで僕たちの音楽体験のリアルはクラブにあった。例えばドキドキしながら暗いエントランスをくぐって、その向こう側に広がる光の束と、足元から響いてくる大音響に目を見開いた。何気なく踊っている先輩たちがカッコよく見えて、音楽もファッションもイケてるものは全部そろっていた。だから僕たちは音楽が音だけじゃなくて、何だかすべてを現しているような気がして、そういうものがすべてだった。それを人々はカルチャーと呼ぶのだ。


KATANAさんは日本を飛び出して高校生活をニュージーランドで過ごした。今日の伸び伸びとした姿勢からうかがえるように、そのまま大学へ進み空間デザインを専攻して、以来、およそ20年間、現地で暮らす。在学時から入り浸りになったクラブがKATANAさんの輪郭を与えて、今はもうニュージーランドのシーンにとってなくてはならない存在でもある。

− 音楽をはじめたきっかけは何ですか?

「気に入っちゃってずっとニュージーランドに住んじゃってますよね(笑)。大学の時にDJの勉強もやりはじめて、クラブで働いたりしました。その頃に自分の方向性が見つかったかな。日本も独特ですけど、ニュージーランドや海外にはクラブで踊って騒いでっていう文化が根付いてますよね。大学にいた時にそういうクラブカルチャーに触れて、DJやったりいろんなことをやったんです。助教授をやったり、スシレストランで寿司を巻いてる時もありました(笑)。クラブのセキュリティをやらされた時はみんなを入れちゃって大問題になりましたね(笑)。」

− ニュージーランドのローカルシーンはいかがですか?

「小さなショップがどんどん出来てきていて、そのブランドが流行ってて、今はすごく盛り上がっています。イベントをやったり、僕のブランド『BASSMENT』のポップアップストアをやったり、そういうつながりが結構ありますね。やっぱり島国ですごく小さいですし、世界で一番離れてるじゃないですか?なので、独自の文化があるし、情報が洗練されていて無駄がないですよね。良いものだけが入ってくるわけじゃないですけど、そういうものを見て自分たちでカッコ良いものを作ろうとする文化があります。」


− ニュージーランドでの生活はすごく楽しそうで居心地も良さそうですね

「コミュニティが小さい分、みんな仲が良いですね。特にストリートシーン、音楽もファッションもお互いに助け合うことが出来る人たちです。競争心がないわけじゃないですけど、みんながサポートしてくれます。一度認められるとすごく良くしてくれて、はじめそこに入るまでは時間がかかりますけど(笑)。言葉の壁もあるかもしれないですけど、音楽を通してそこに入れたということはラッキーだったかもしれないです。良い国ですね。」


『BASSMENT』に込められるもの−

KATANAさん自身がやりたいと思っていたことや、やれなかったことを実現するために『BASSMENT』は生まれた。ニュージーランドのコミュニティのおかげでやってこられたという想いが結実した、何のしがらみもない自由な空間がカルチャーへの恩返しとして体現された。世界中でクラブカルチャーが薄れてしまった瞬間に引きずられずに、次につなげることを続けるKATANAさんが思う『BASSMENT』とは一体どんなものだろう。


− 『BASSMENT』が行っているのはどんなことですか?

「クラブカルチャーが廃れてきているコミュニティに還元したいって思いがずっとあったので、自分が若い頃にクラブに行って経験したことを今の若い子たちにも伝えてあげたい。好きなことがあるんだったらさせてあげたいし、才能があるんだったらちゃんと評価してあげたいですし、そういう想いがあって、それを前提にして“ベースメント”したいと思ってパーティーをはじめました。とりあえず僕が好きっていうこともあるんですけど(笑)。はじめた頃は10名くらいしかお客さんが来なかったり、すごく勉強になりましたね。今はフロアがパンパンになって、外に列ができるくらいになったんですけど、自分が楽しくてみんなが楽しかったら良いという感覚でしたね。」


− 音作りで大切にしていることは?

「あくまでも自分の作品なので、自分の好きなことを追求するということですね。頼まれて作る時でもなるべく自分なりの解釈をしたテイクで作ることですね。相手が欲しがるものだけを作るというのはアーティストの仕事ではないかなと思っています。僕が誰かに仕事を頼む時も、ほとんどおまかせにするんですね。頼む=僕が好きな人なわけで、だから彼が良いと言えば良いんですよ。僕がその時よくないと思っても(笑)。なのでなるべく自分が好きなようにしてますね。」


パーティーだけではなくてファッションにも“好き”をこめて−

「元々ストリートウェアがすごく好きだったから自分で服のレーベルを作りたいと思ったんですけど、特にルールを決めないで、いわゆるブランドとしてじゃなくて『BASSMENT』でそのままやろうと思いました。服のブランドじゃないので、リリースとかもファッション業界のカレンダーに合わせないで良いじゃないですか(笑)、自分が好きな時に好きな服作って、好きなもの出そうっていう。その方がみんなも受け入れやすいのかなと思っています。」


− 新しくておもしろいものへの嗅覚はどこから?

「新しいものが好きだし、古いものというかそれまであったものに対するリスペクトはもちろんありますけど、でもテクノロジーでも何でもそうですけど新しいものがおもしろいですよね。ずっとそこにいたら何も得られないというメンタルはあります。」


KATANAが斬り拓くNEW WORLD−

グラフィックデザインへの興味からアートデザインへの道を目指し、その途上で見つけた音楽。クラブカルチャーがもたらしたコミュニティの力を、今、『BASSMENT』というKATANAさん自身を映し出したかのような存在に体現する。オープンに自分を開いていろいろなことを受け入れるということが大切だと話すその姿勢は印象的で、そして強い。

− 今、『BASSMENT』がやりたいことは何ですか?

「僕一人でやっているからスケールはすごく小さいですけど、好きなことを自分の思った通りに自由にやれますね。大きな目標としては、『BASSMENT』を世界に持って行きたいです。最近、オーストラリアのアーティストを入れてパーティーをやりましたし、もっと世界中でローカルのアーティストと『BASSMENT』をやりたいですね。自分が住んでいるすぐ隣にすごいアーティストがいるから、彼らをサポートしようよっていうコンセプトでやっているので、それって世界中のどこでも出来ると思うんですよ。NYでも『BASSMENT』出来ると思うし、LAでも出来ます。日本もそうですし、ブランドを外に紹介していきたいですね。すごい経験のあるアーティストだけじゃなくて、もっと若いローカルの子たちとかやってみたいと思っている人たちみんなを含めてパーティーを楽しんで、それに向けてチームを作っていきたいです。」


ニュージーランドのローカルのSOUNDCLOUDのプロデューサーたちを集めたアルバム制作に動いているKATANAさん。SONY MUSICからこの秋に配信リリースされるコンピレーションアルバムに詰め込める、みんなにとってのチャンス、『BASSMENT』を聴いて感じてほしい。




KATANA
DJ / Producer / Designer
Instagram:@katanagram
soundcloud.com/katanagotbeats

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Instagram:@bassmentnz

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