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気鋭のトラックメイカーSUKISHAが抱く密かな「野望」


強気と弱気が複雑に入り交じるトラックメイカーの現在地


SUKISHA周辺が最近、徐々に騒がしくなってきている。本名名義での活動初期は「ライブハウスやレーベルにCDを送ってもマジでひとつも反応がなくて」と本人が語るほど鳴かず飛ばずだったが、知り合いのベンチャー企業の社長から提案された“SUKISHA”を名乗り始めて以降、クラウドファンディングの成功、SONY主催オーディションでのファイナリスト選出と着実にステップアップ。気鋭のシンガーkiki vivi lilyをフィーチャーした「Blue in Green」は全くのノンプロモーションながら、90万回に迫る再生回数をYouTubeで記録している。今回は、まだまだ謎の多いシンガーソングライター/プロデューサーの人となりに迫った。

―活動初期はアコギを主体にしたシンガーソングライターだったそうですけど、今のスタイルに変えたきっかけは?

当時からブラックミュージックがすごく好きだったんですけど、その頃にSuchmosが売れ始めたのを見て、「これはもしかしたら俺にもできるかもしれない」と思って試しに「4分半のマジック」という曲を2年前につくりました。




―それが話題になって再生回数が伸びたと。新作『Lofi Hip Hop Beat Tape』の音源を聴く限り、ヒップホップ系のプロデューサーなのかと思いきや、実はJ-POPのカバーにも積極的に取り組んだり、けっこう幅広いですよね。

元々、親の教育で子供の頃からピアノを習ってたんですけど、高校生ぐらいまではロック畑の人間だったんですよ。軽音部に入って、ブランキーとかGRAPEVINEに影響を受けたロックバンドをやってて。それで大学でも軽音サークルに入ったんですけど、同時にジャズ研にも入ったんですよ。そこで友達から勧められてD’angeloを聴いたら「やべえ!」ってなって、自分がそれまでやっていたことがいかにダサかったかっていうことを実感して、「このままいったら俺はダサいまま終わる!」と思ってブラックミュージックに移りました。歪んだギターとか、もう一生弾きたくないです。


―あはは!

僕はわりと特殊なほうで、ピアノが弾けて、ドラムも叩けて、ベースもギターも弾けるんですよ。そうすると、曲を聴いたときにミュージシャンがそこで何をやってるのかがわかるので、そうやって楽曲の仕組みを知ることが面白くて。

―サウンドの構造を知っていくうちに、どんどんブラックミュージックにハマっていったわけですね。

でも、僕はいろんなものを節操のない感じで作りたいんですよ。例えば、今、何か別の音楽を聴いて、「あ、こういうのが作りたいな」と思ったらそれを作る。こだわりがないんです。

―では今回、『Lofi Hip Hop Beat Tape』を制作した理由は?

気分ですね(笑)。ローファイヒップホップが流行ってるっていう記事を読んで、「自分も流行りに乗じたらええやん」っていう軽い気持ちで初めてサンプリングで曲をつくってみたら、これがマジでびっくりするぐらい簡単で。全曲作るのに3日ぐらいしかかかってないです。


―そうなんですね! ところで、SUKISHAさんは音楽だけでなく、ブログも面白いですよね。

最近、なぜか僕のSNSのフォロワーが増え続けてるんですけど、そのわりに僕の一挙手一投足を気にしてくれる人ってあんまりいないんですよ。例えば、インスタは3,000人ぐらいフォロワーがいるんですけど、インスタライブやっても10人ぐらいしか見てくれない。だから、あのブログなんて誰も見てないですね。メディアとかインフルエンサーからのフックアップがないと、みんな僕のことをアーティストとして見てくれないんじゃないかな。


―でも、12月にはSUKISHAさんが参加したEVISBEATSの新作『PEOPLE』がリリースされるじゃないですか。

でも、「EVISさんと一緒に曲を作りました!」って告知してもそこまで大きな反応はないんですよね。何も反応しないだけで、「すげえやん!」って思ってくれてる人もいるとは思うんですけど。

―卑屈ですねえ(笑)。自身の楽曲でも、「Blue in Green」は90万回近い再生回数を稼いでるじゃないですか。



あの曲にコメントしてる人たちは、全員キキビビちゃん(ボーカルとして参加したkiki vivi lily)ファンだと思ってますよ。

―あはは! でも、誰がつくったかとか関係なく、「この曲好き!」ってなる気持ちってけっこう純粋なものだと思いますよ?

そうですよね。あの曲って広告に全くお金をかけてないんですよ。純粋に歌と曲とMV、この3つの要素だけであそこまでいったのは本当にすごいことだと思います。まあ、「kiki vivi lily大好き!」っていう人は多いけど、気づいてないだけで僕のことも好きだと思うんですけどね。


―ところで、『Lofi Hip Hop Beat Tape』はKODE読者プレゼントとして、アナログ盤が150枚作成されるそうで。

非常に光栄です!どうもありがとうございます!


―今作のビートにラップが乗ったものもぜひ聴いてみたいですね。

あ、予定はあります。ただ、他にやることがまだ結構あるのでもう少し先になっちゃいそうです。

―それはいいですね。なんだか来年以降の活動が楽しみです。

状況だけで言ったら、マジで来年はいい感じになりそうな予感はしてます。

―将来的には、SUKISHAとしてフロントに立っていくのか、それともプロデューサーとして裏方に回るのか、どちらを目指したいですか。

裏方はイヤです! 今、agehaspringsとマネージメント契約してて、「けっこういいプロデューサーになると思うよ」とか言われてますけど、そうはなりたくないですね! 「俺だーっ!」ってなりたいんですよね。


SUKISHA


長野県長野市出身のシンガー/トラックメイカー、Hiroyuki Ikezawa(池澤寛行)によるソロ・プロジェクト。2012年、首都大学東京卒。2013年6月にシンガー・ソングライターとして音楽活動を開始。2016年よりフリーランスとして独立。2017年8月に“SUKISHA”(数奇者)として始動。

Instagram: @sukisha_jpn
Text: Daishi “DA” Ato
Photography: Eisuke Asaoka


『Lofi Hiphop Beat Tape』

A Side
1.We Must Be Doing Something Wrong
2.The Phychedelic Park
3.Under The Bridge

B Side
1.Inconvenient Convenience
2.Easy Boat Trip
3.A Night Mystery

KODEメンバー限定で、SUKISHAさんの音源が収録されたアナログレコード『Lofi Hiphop Beat Tape』 をプレゼント。
要注目のアーティストによるビートを感じてほしい!


応募期間:2019年10月31日(木) 10:00 ~ 2019年12月9日(月) 9:59
詳細はKODEメンバーに登録/ログインしてチェック。


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