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TENG GANG STARRの自分を信じるというHIPHOP


あっという間に駆け抜けた1年だった。2015年に結成したラップグループTENG GANG STARRはメンバーの脱退を経て、2017年夏にkamuiとなかむらみなみの2人デュオとして本格的に活動を再開始。YouTube、Apple Musicなどで楽曲をリリースすると、都内でライブのオファーが増え、活発にライブなども行うようになる。ライブ活動の傍らYENTOWNらが所属するbpm Tokyoと契約し、2018年9月にフルアルバム『ICON』をリリース。またkamuiは同月にソロアルバムをリリースするなど、超新星のごとくシーンに登場し、活動の現場を広げている。

アルバムをリリース後、制作やライブが一段落した彼らにKODEがインタビュー。今彼らは何を思い、どこへ行くのだろうか?


− 先日kamuiくんは朝日新聞のインタビューで読書が自分にとって大切な時間であったりインスピレーションの元になっていると語っていましたが、アルバムをリリースして次のステップへと移行していく今の時期に、本以外になにか時間をとってチェックしているものはありますか?

kamui「映画からもインスピレーションを受けることが多いです。自分はミュージックビデオ『Livin’ The Dream』『ダチュラ(DaTuRa)』『MY STYLE』といった楽曲のMVの監督をしているのですが、必ず映像作品の中にはもう一回観たくなるようなアイディアやその映像でしか体験できないものを入れたいんです。だから世界観がしっかりしている映画は常にチェックしています。

最近『MATRIX』を見直してたんです。ご存知の通り、今見ているものが仮想現実かもしれない。夢から覚めたら別の現実が待っているかもしれない、といったプロットなのですが、自分も最近そういう気持ちに陥ることがあったんです。実際、自分たちは1年前はレーベルと契約して活動なんかしていないし、曲をリリースしてライブに呼んでもらったり、こうやって取材をしていただくことなんて全く無かったわけで、今、こうやって物事が進んでいる状況が逆に怖くなっているんです。次のステップに行こうとしている今この瞬間に夢から覚めてしまったらどうしよう、と思っちゃうんです。『MATRIX』の世界と自分が感じるこの感覚はオーバーラップしているんじゃないかと思ったので、見直しました。『MATRIX』は自分が小さい頃に観たときの記憶以上に愛についての話だったので、また違った見方ができました」
 

なかむらみなみ「私は今まで名前を知っていたりライブを見ていた人たちと話ししたり一緒にライブをしたり、スタジオに入るようになったりしていることに驚いているっていうか不思議ですね。現在進行系のまだ言えないプロジェクトもたくさんあるんですよ」

 

− お二人にとってHIPHOPを通じて、またリリース後の活動なんかで多くの人達と出会ったり、多くの人達に聴いてもらったり観てもらう機会が増えたと思うのですが、印象的な出会いなどはありますか?

kamui「一緒に曲を作ったMasayoshi Iimoriが所属するTREKKIE TRAXのメンバーたちと話をすると日本語ラップ以外の世界にも目が向くようになって刺激的です。アメリカや海外の音楽シーンの話なんかを熱くしてくれる相手ができたのは大きいです。彼らはレーベルを始めてから数年経った今、目標通り海外でも活躍していて。自分も6年後どうなってるのかなって目標を持ってみたりとかできたりします。自分から他の人にアプローチすることもありますが、それと同じくらい向こうから自分たちのことを知ってくれて、声をかけてくれるっていうことが増えたのがとてもうれしいです」

 


なかむらみなみ「私は今までソロ活動はほとんどしていなかったのですが、餓鬼レンジャーのポチョムキンさんとCherry Brownさんと一緒に曲を作る機会があったんです。今回がkamuiさん以外の人とスタジオに入ったのが初めてだったんですが、年齢的にも一回りも二回りもちがう人たちと一緒にスタジオに入ると、いろんな話を聞かせてもらったりしてとても刺激的でした。曲の作り方も全然違ったので勉強になりました。自分の歌詞のスタイルは固有名詞をよく出すんですが、その相談なんかにも乗っていただいたりしています」


− リリース前後だと音楽シーンに対する見方も変わったと思いますが、なにか感じることなんかはありますか?


kamui「最近思うのが「TYPE BEAT」を海外から買って曲を作っていっても、音楽シーンにとってなかなかいい循環にならないなって。「TYPE BEAT」っていうのは海外の売れているラッパーが使っているトラックや有名プロデューサーのトラックに似たビートです。それを海外のトラックメーカーがYouTubeにアップして自分のECサイトで販売しているんですよ。自分もそれをディグしまくって、よく買ってたんです。いい曲を安くで買うスキルを付けていったんです。(笑)  最近はそれが良くないなと思っていて。プロデューサーのKMさんのアルバムも素晴らしかったですし、YENTOWNのサウンドの根幹はプロデューサーのChaki Zuluさんのものがあってこそっていう感じもありますし。

だから「安くでビートが買えるTYPE BEAT」に向かうんじゃなくて、国内のビートメイカーと一緒にお金に囚われないクリエイションができればいいですよね。プロデューサーとラッパーが協力しあって、スキルトレードしていったり、お互いを高め合うことが必要だと思うんです。シーンをちゃんと作っていかないといけないなって思っています」
 

− 今、率直にHIPHOPと自分自身の関係はどのようなものになりましたか?

kamui 「自分を信じて自分がやりたいことをやるには、自分が『それはHIPHOPじゃない、これはHIPHOPだ』って、それをジャッジして胸を張って言えないといけないと思うんです。ちゃんとそっちの側に居続けたいです」

なかむらみなみ「自分にとってHIPHOPは救いなんです。自分の生い立ちとかをリリックにすることで昇華できているという感じがあります。だからHIPHOPはずっと続けていきたいです」
 

 

TENG GANG STARR
Twitter: @tenggangstarr

kamui
Instagram: @kamui_3_i

なかむらみなみ
Instagram: @namcooooo


TENG GANG STARR - 『ICON』



kamui - 『Cramfree.90』


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