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卯城竜太が「日本のパンク最高峰」と語る曲

アーティスト集団Chim↑Pomのリーダー・卯城竜太にとって、「パンク」はただの音楽ジャンルであることを超えて、ひとつの原点であり、自身の活動を振り返るときの指針のようなものだった。前回の記事では、そんなパンクとの出会いから、アートと音楽の関係性まで語ってくれたが、卯城に国内・国外の好きなパンク曲を尋ねると、邦楽として真っ先に挙がったのが、ハナタラシの「Omocha No Cha Cha Cha」だった。

ハナタラシは、ボアダムスでも活動する山塚アイのソロユニット。卯城が山塚の存在を知ったのは高校1年生のころで、のちに一緒にChim↑Pomを結成する、同級生の林靖高から紹介されたそうだ。「ちょうど、ボアダムスの『チョコレート・シンセサイザー』というアルバムが出たばかり。めちゃくちゃ面白いと思って、すぐにハナタラシも聞いた」と振り返る。この出会いをひとつのきっかけに、卯城は林たちとバンドを結成。高校を退学し、徐々にアートに接近していったのは、前回紹介したとおりだ。

好きなパンクスのあり方を、卯城は「最初からぶっ壊れちゃっている人」と表現する。そんな彼にとって、山塚はまさしくパンクを体現する「スーパースター」だ。前衛的ではあるが、しっかりとバンドらしさもあるボアダムスに対して、ハナタラシは山塚のアウトサイダー性がストレートに発揮されていることも、好きな点だと話す。


卯城が「卯城にとっての日本のパンクの最高峰」と語る「Omocha No Cha Cha Cha」は、「Born To Be Wild」との二曲入りで発表された、超希少音源の収録曲。野坂昭如が作詞を手がけたおなじみの童謡を、狂気じみたカラオケのように、山塚が異様なテンションで歌い上げる。卯城も音源は所有しておらず、数年前にたまたま知ったという。「山塚アイをいろいろ聞いてきた俺も、これは衝撃的だった(笑)。こんなキャッチーで、爆笑できる曲もないじゃん?」。

この曲のおすすめの聞き方は、ニコニコ動画のコメントと一緒に視聴すること。「山塚アイは神聖化されたりもするから、コメントと合わせて聞くのがいい」のだそうだ。激しいシャウトのためか、途中で疲れた様子をのぞかせるのも楽しい。「でも、音楽的にもすごく良いんだよね。ただ頭のおかしい人っていうより、さすが山塚アイという音楽的なセンスが詰まっている曲だと思う」と、その楽曲の魅力について語ってくれた。


TEXT: 杉原環樹
PHOTO: 菊池良助

卯城竜太(Chim↑Pom)

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