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制作者かつプレイヤー集団・「WONK」の特異性

圧倒的な支持を見せた2019年『WONK’s Playhouse』と「海外に目を向ける」2020年

2019年の夏に2年ぶりの新作『Moon Dance』をリリースし全国ツアーを大盛況で終えたWONK。12月にはメンバーそれぞれの交流があるミュージシャンをゲストに招いた自主企画『WONK’s Playhouse』をLIQUIDROOMで開催し、チケットは即完売。それぞれがプレイヤー・プロデューサー・エンジニアとして活動しながら数多くの有名ミュージシャンへの楽曲提供やリミックスまで手がけるなど、4人が個々の活躍の幅を広げ続ける異色のバンドだ。シーンで注目を集める彼らに、その独自の在り方とこれからについて伺った。


―自主企画『WONK’s Playhouse』では、チケットは即完売、LIQUID ROOMは超満員でしたね。ゲストのChara、m-flo、kiki vivi lily、SHE IS SUMMER、bird、IO、FUKUSHIGE MARI…とジャンルを横断して錚々たるミュージシャンが1曲ずつ登場されるという、他にない豪華なプロジェクトです。

井上 
確かに「あり得ない」と指摘されることもある (笑) 一人1時間ずつのステージをお願いしてもいいようなフェスさながらの面々ですよね。それでも入れ替わり立ち代わり…というのが『WONK’s Playhouse』の魅力です。



荒田 WONKはメンバー個々でも活動をしていまして、それぞれが音楽制作・ライブなどで関わったアーティストに声がけして、自然に「WONK’s Playhouse」は実現しているイベントになっています。来年は規模を大きくすることも考えています。

長塚 リピートしてイベントにお越し頂ける方も多く、全ゲストを発表する前にチケットが売り切れたのは嬉しかったです。



江﨑 この企画の個人的な手応えの一つは、バンドシーンにおいてヒップホップに抵抗のある方々が初めてWONK’s Playhouseでラップの曲を聞き、結果、「かっこよかった」と言ってくださること。音楽はどうしてもジャンルを隔てて捉えられがちですが、フィールドに関わらず良いものは良い。フィルターを取っ払い、ただ音楽を楽しむところまで引き戻す役割を担えたらいいですよね。

―WONKの新曲『Signal』が会場を魅了したのも印象的です。その先駆けとなるアルバム『Moon Dance』を7月にリリースされましたね。2年ぶりのEPリリースとなりましたが、バンドとしての変化は?

荒田
 具体的なマイナーチェンジを挙げ出すとキリがありませんが、例えばミックスなんかは変わります。トレンドとともに自分たちの聴くものも変わり、影響は受けます。

井上 ミキシングとマスタリングは2年の間に技術が上がりました。幻想的な世界観を思い描いていたので、全曲コンセプトに沿った音作りを心がけています。例えばイントロの『Blue Moon』なら浮遊感とスモーキーさを感じられる質感に仕上げている。

江﨑 思えば、コンセプトを掲げて作品を作ったのは今回が初めて。以前はカッコイイ一曲を作ることを重視していました。


井上 そうだね。『Moon Dance』はメンバーで共有した社会的なテーマに沿って制作しました。どんな描写をしたいかを長塚に伝えて歌詞にしてもらっています。

長塚 作詞はほとんど僕が担当しています。今作「Moon Dance」の作り方はまず初めにコンセプトがあり、次にメロディを決めていきました。その音を聞きながら僕が具体的な英語に落とし込む。そこで、気持ちのいい言葉をハメたり韻を探す作業がある。最後にみんなに細かくフィードバックをもらってから、レコーデイングする流れですね。

江﨑 こうして振り返るとかなりヒップホップ的な曲の作り方をしていますね。「いいビートだね」から始まり、伝えたい内容に合わせてトラックを作り、それにハマる韻を選んでいく。

―各々が大活躍されながらもWONKが走り続けられるのは、4人で鳴らしたい音の共通認識があるからですか。

荒田
 そうですね。絶対的ではなく変化はし続けるものですが、今感じられる「WONKらしさ」は頭の中にありますね。

井上 自然と同じようことを考えているよね。とはいえ奇跡的なバランスでここまできました。 僕らは圧倒的なワンマンバンドではないので、本来なら空中分解してもおかしくないです。

江﨑 荒田がチームを組むのが抜群に上手いタイプだから成立しています。


荒田 結成当初からワンマンバンドだと思ったことは一度もないです。各々の変化は当然あり、それを良い感じでミックスして生かしたいですね。お互いに無理なリクエストはせずに制作したいからこそ、難しさもあります。4人には音楽の共通項だけではなく、独自性もあるので、それを共有できるかどうかの戦いがあります。全員が「いいね」となったら理想的ですが、そう上手くいきません。

江﨑 そのコミュニケーションも、結果的に素晴らしい学習環境になっていますね。それぞれが異なるスキルを持ってきて共有するので、引き出しが常に増え続けています。ネタ切れ感が全くないし10年後も走り続けることが自然と想像できる。スタミナのつく環境だと感じます。


長塚 その通りで、僕は他のアーティストさんとのプロジェクトから得た経験値をここで放出したい気持ちが強い。例えばElephant Gymとご一緒した時には中国語の歌詞を僕の言葉で英語にして欲しいとリクエストがあったり、冨田ラボでも歌詞を任せていただいたりしていますが、そんな時に書きたい曲と、WONKで書きたい歌詞は別。外のプロジェクトで得た発見をこのバンドに取り込み、色々な歌い方にトライしたい。

荒田 僕は逆の視点もあって、WONKがあるからソロでやりたいことも見えてきています。ポップスも好きだしシンプルにギターをシャラーンと弾くような音楽もやりたい。

井上 基本的にやりたいことが多い集団ですからね。個人的には、ベーシスト・エンジニア…どんな持ち場でも自分の軸を通していたい。音楽には様々なレイヤーがあり、もちろんWONKにはここでしか出来ない表現があります。

―実際、メンバー全員が制作者ですね。音楽に造詣の深いリスナーが多いように見受けます。

長塚 確かに楽器経験のあるリスナーさんが楽曲の構造を紐解く議論をしたり、リテラシーの高い方が多いのかもしれません。

井上 入り口としてのポップさは設計しながらも、自分達にとって本質的な音を追求し続けてきました。今、表層的な部分ではなく、着実に音楽を見てくださる方々の存在を嬉しく思っています。今まで「◯◯系〜」というキャッチコピーを謳ったことはないし、偶像をつくることも一切してこなかった。

江﨑 これからもこのバンドは何にも縛られないんだろうなと思いますね。それに、ミュージシャンが4人も集まってきて面白がるようなことは、マスに認知されていなかったり、市場に求められてないことも往々にしてある。それでも振り切ってやってきました。

―2020年はWONKにとってどんな年になりそうでしょう?

井上
 最近、思うに世の中のセンスが研ぎ澄まされてきていますね。誰でも自由に発信できて何でも聞けますから。


江﨑 ストリーミングの話をすると、否定的な意見がある一方でポジティブな見方もあります。例えば日本に0.5%しかファンがいない音楽でも、192カ国分集積すると結構な数になるという状況。マジョリティを意識せずに自分たちの音にフォーカスし続ければ世界中の人に刺さる可能性がある時代です。

長塚 最近、対談で印象深い言葉を頂きまして「必ずファンになってくれる人がいると信じて発信するんだぞ」

荒田 かのエイドリアン・ヤングが仰ったんですよ。

井上 背中を押されますよね。実際に、僕たちもじわじわと手応えを感じていますし、来年はライブをもっと増やす予定です。

荒田 特に海外には力を入れたいですね。2020年は社会にしっかりメッセージを発信するタイミングも考えていますし、ある程度、国内ツアーを終えたら交友関係のある海外のアーティストともライブに取り組みたい。もちろんWONK’s Playhouseも大きくなるでしょうし、外に目を向けた活動を考えています。

WONK
東京を拠点に活動する4 人組バンド「WONK」。メンバーそれぞれがソウル、ジャズ、ヒップホップ、ロックのフィールドで活動するプレイヤー・プロデューサー・エンジニアという異色なバンド。2016 年に1st アルバムを発売して以来、国内有数の音楽フェス出演や海外公演成功を果たす。ジャンルや世代を超えた国内外のビッグアーティストへ楽曲提供・リミックス・演奏参加するなど、その音楽性の高さは多方面から支持されている。

Instagram: @wonk_tokyo
http://www.wonk.tokyo

Text: Takako Nagai[CATAL DESIGN]
Interview photo: JUNKO YODA[Jp Co.,Ltd.]
Live photo: Takahiro Kihara

KODE特別企画として『WONK’s Playhouse』をRICOHの360度カメラTHETA SCにて撮影した特別映像はこちら!
(※スマートフォンのYoutubeアプリを使用することで360度映像を見ることができます)


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応募期間:2019年12月9日(月) 10:00 ~ 2020年1月8日(水) 9:59
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