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真鍋大度が語る「ベストアクト」

音楽、アート問わず100以上のフェスティバルに出演してきた真鍋大度。彼は”フロアにいる”アーティストだ。楽屋にこもることはない。最先端の音楽を、いつもフロアで直接体験している。そんな真鍋が語る、「ベストアクト」とは?

「自分が映像をやっているのであれなんですが、Nosajのライヴセットは本当にいいですね。ビートのない曲からヒップホップ、ジューク、ハウスなど幅広いジャンルを横断しつつも彼らしいトラックでいつも素晴らしいなと思って見てます。あとはソニマニのSHOBALEADER ONE。ロンドンで行われた一番最初のお試しライブも観て、海外のフェスでもなんども観てますが先日のソニマニのアクトは超良かったです。僕はCGではない部分の実写映像を担当してたのですが、機材が届かないなど色々トラブルがあり、直前まで中止するかもしれない状況だったのですが、Tomが四苦八苦して何とかライブすることが出来て、ものすごいエネルギーのあるセッションでした。また、Machinedrumはいつ見ても違うことをやっているので面白いですね。最近AbletonのLoopフェスで一緒になってブースで見てたのですが2trではなくAbleton Liveで細かい設定をしてMIDIコンで演奏をしてました。あと、Loopで見たTennysonもAbleton Liveの使い方がすごかったのとリズムや音色のバラエティが独特で素晴らしかったです」

また、メディアアート系では、アルス・エレクトロニカで見たケイシー・リースとベン・フライがスティーブ・ライヒの『18人の音楽家のための音楽』の映像を担当していたのが、ベスト・パフォーマンスだと語る。

「もうひとつは、2011年にSonarで見たAfrica Hitech(Warp)のライブ。『Sonar Lab』という、例えばFlying Lotusが今みたいに有名になる前に出演するニューカマー紹介的なエリアで、そこで聴くアーティストはいつも情報源としてチェックしています。Africa Hitechが衝撃だったのは、ジュークのセットでかつ隙間がタップリのトラックと三連メインのジュークトラックを行ったり来たりして、90sのJ Dillaのトラックもかかったりという当時では珍しいセットだったことです。当時の僕はあまりジュークを聴いていなくて、ダブステップが主でした。そのライブがあまりに衝撃だったので、僕のDJのBPMが140から160に跳ね上がりました。ジュークって、シカゴ発のガチなジュークやフットワークはダンスありきの音楽なので構造がフロアユースでシンプルなものが多いのですが、UKのミュージシャンが作っているジュークは音楽的にも洗練されていて、Africa HitechやHyperDubのジュークを聴いてからハマったタイプです」


―アンダーグラウンドからメジャーまで見渡す

また、2012年頃にスウェーデンのフェスGoteborgのフェスティバル「Clandestino Festival」で一緒になった、すごくテンポの早いアフリカ系のジャンル「シャンガーン・エレクトロ」のアーティストが面白かったというマニアックな好みも。ちなみにあらゆるジャンルにアンテナを伸ばす真鍋は、EDMのイベントにも足を運ぶ。商業的なフェスに抵抗感を持つということはないのだろうか?

「商業的なフェスでも、入り口として音楽に親しみを持ってくれる人が増えるのはいいことですよね。それをきっかけに、好きなDJを調べていくうちに、そのDJが尊敬する人を知って、また違う音楽を知っていく…というように連鎖してくれたら。ミュージシャンって、そういう繋がりをすごく意識していくので。僕自身も、音楽の入り口はニューヨークのヒップホップでしたが、そこからジャズやパンクに興味を持ってバンドもやっていました(Shiina Band)。いきなりジャズを聴くのは難しくても、いま活躍しているアーティストからの繋がりを辿って、若い人がその魅力を知ってくれる。そんな風になってくれたら良いなと思っています」

ちなみに真鍋が次に行きたいフェスは「DAY FOR NIGHT」 。音楽ライヴとインスタレーションが共存するテキサスでの新興フェスだ。現在もシーンの動向のチェックに余念がない。


TEXT: 齋藤あきこ
PHOTO: 菊池良助

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