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真鍋大度が語るメディアアートフェス「アルス」の魅力

日本でも人気のあるメディアアート・フェスティバルといえば、毎年9月にオーストリア・リンツで行われている「アルス・エレクトロニカ」。過去35年以上に渡り、「先端テクノロジーがもたらす新しい創造性と社会の未来像」をテーマに開催されているフェスティバルである。リンツのまち全体を会場に、アート、テクノロジー、サイエンスの展覧会、音楽ライブ、パフォーマンス、レクチャー、ワークショップなどが行われるのは圧巻。真鍋も常連アーティストの一人だ。世界中のメディアアートフェスをリストアップして公開するほど、シーンへの貢献が高い真鍋に、アルス・エレクトロニカの魅力を聞いた。

「デジタルミュージックの審査員も含めて、2008年から5年連続で参加していましたね。アルスのコミッションでレジデンスプログラム(滞在制作)があるので、フェスの開始2週間前くらいに行ってひたすら開発して、それを本番までに作って発表するんです。昼間はその制作について喋って、夜はDJをやって、ついでにライブもやって欲しいということで、全部で6個くらいのイベントに出た年もありました。一番大変だったのは、2008年の年末にZachary Lieberman、Damian Stewartと元UVAのJoel Gethin Lewisと3日間で新しいセンターのオープニングのショーを作るというものでした。それ以来彼らとは一緒に作品作りをするようになったので本当に貴重な機会でしたね」



―チャンスのあるフェスティバル

真鍋氏がアルスエレクトロニカで初めて作品を発表したのは2004年のこと。その後、メディアアート作品《particles》や、Nosaj Thingのミュージックビデオ「Cold Stares ft. Chance The Rapper + The O'My's」でアルスエレクトロニカの優秀賞、「Perfume Global Site」「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」で栄誉賞を受賞している。またフェスティバルに出演する際は、昼はレクチャー、夜はDJにライブと出ずっぱりでフル回転。メイン会場の美術館の展示のほかにも、会場自体を光らせるパフォーマンスだったり、ありとあらゆることをこなす。

「若手のメディアアーティストを発掘してチャンスを与えるということが、アルスの役割の一つなのではないでしょうか。僕はアルスに行ったおかげで海外のアーティストたちと知り合うことが出来、コラボレーションをする機会を数多く得ました。(インディバンドの)OK Goと出会ったのもアルスがきっかけでした。The future rock showというラウンドテーブル(複数人のトーク)で、ダミアンと僕が同じテーブルだったんですよ。そこで初めて知り合って『何かやろうよ』と話して連絡を取り合っていたことがこの間のミュージックビデオ(『Obsession』)につながって。MVのリリースの時にもアルスのスタッフが『良かった』とツイートしていたりして。だからアーティスト側には、作品発表やトークを通じていろんなチャンスがあるフェスですね」


「他にはeyeofestivalのように作品ではなくコミュニティにフォーカスしたメディアアートのフェスティバルも面白いです。各国のメディアアーティストやリサーチャーだけでなくAppleやGoogleのデザイナーなど色んな人たちが一堂に会するイベントで生の最新情報を手に入れることが出来るのでおすすめです」

TEXT: 齋藤あきこ
PHOTO: 菊池良助

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