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Seihoのツアーライフを支えるお茶道具

大阪を拠点に活動するビートメイカー/プロデューサー、Seihoは、2016年にFlying LotusのレーベルBrainfeederに所属するMatthewdavidのレーベルとして知られるLeaving Recordsから3年ぶりのアルバム『Collapse』をリリース。その前後からヨーロッパやUSツアーを行うほど、国内だけではなく海外でも活躍するトラックメーカーだ。


国内外で活躍し、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションを行うSeihoは、2014年のアメリカツアー前に祖母からお茶道具をプレゼントされ、共にアメリカツアーに出かけた。トラックメーカーとお茶道具の奇妙な組み合わせ?なぜSeihoはお茶道具を持ってツアーに出かけるのか?その理由を聞いた。



お茶を飲み始めたきっかけを聞くと、Seihoは「お茶を点てて飲むってそんな不思議で特別なことかな?お茶のことをみんな仰々しく考えすぎてる気がする」と問い返す。「みんなコーヒーのこと詳しいじゃないですか。コーヒー豆がどうとか、もしくはケーキのこともみんなよく知ってるし。それと同じだと思うんですよね」と語る。

小さい頃Seihoの家庭で唯一Seihoはコーヒーを飲めなかったそうだ。両親も祖母も弟もコーヒーを飲んでいたので、一人だけ仲間はずれのようになってしまっていた。そこで祖母がSeihoに抹茶を作ってくれたのがお茶を飲み始めたきっかけだった。


「自分にとってはそんなに特別なことではなく、おばあちゃんと話するのが楽しかったので、それから自然と飲むようになっていました」と語るSeihoの小さい頃の夢は、CGクリエイターか和菓子の練り切りの型を作る職人だった。

「すぐ近くに住んでいたおばあちゃんの所に行って、なにかお菓子ない?って言うと、お茶を出してくれて話ししてくれる、いわば会話の為にお茶を飲んでると言ってもいいくらいだったし、それは音楽について同世代の人と話するのと似ている」と、Seihoにとっては、お茶と音楽は並列の位置にある。


一見作法などが難しく見えるお茶だが、Seihoにとっては「抹茶の粉入れて泡たてるだけですからね。カプチーノみたいなものですよ」と仰々しく考えずに、生活の中で自然なものになっている。「大学に入学してから自分でも家で点てる様になって、作法とか詳しくはわからないですが、毎日やってたら上手に点てることができるようになりました」と、極めて自然な付き合いをしている。

取材当日Seihoが持ってきてくれた器は、「本当に特別な時にしか使わない」と大事にするお茶碗。これは岡山の梅原さんに作ってもらった逸品。自身がツアーに持ち運ぶコンパクトなお茶道具のセット野点道具も、自身が一番最初に使った器も祖母の出身の岡山・備前のもの。


実はアルバム『Collapse』のジャケットに使用している花器も同じく梅原さんの作品だそう。祖母が仲良くしている作家の方の作品でお茶を飲み、そして自身の作品にも取り入れているこだわりよう。

「お茶は話のきっかけになる」と語るSeihoは実際に祖母にもらったポータブルお茶道具である、野点用のお茶道具をアメリカツアーやヨーロッパには欠かさず持ち歩くようにしている。「アメリカでも、ヨーロッパ、ツアーに行った先でお茶道具を出して、お茶を作って見せると、めちゃくちゃ外国人の人に受けるんですよね。むしろそれがお茶道具を持っていって一番よかったことかもしれませんね」と、お茶道具は海外のアーティストたちとのコミュニケーションを円滑にしてくれている。

Seihoは海外にツアー行くと、現地のアーティストと一緒に楽曲制作などをしょっちゅう行うそうだ。その時はホテルからお茶道具を持って行き、スタジオでのセッションの休憩時間にお茶を点てて見せるそうだ。もちろんスタジオでの曲作りの時だけではなく、友人ミュージシャンの家に長期で泊まることになった時、「ちょっとお茶飲む?みたいにやるとめっちゃ喜んでくれる」と海外アーティストやホストとのコミュニケーションにも大きな役割を果たしてくれている。Seihoはインタビュー中に「そういうのが嬉しいっすねやっぱ」と、自身のこだわりの意義を再発見したようだ。

Seiho

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