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カルチャーを華麗に乗りこなす「430」の自由なマインド

BMXライダーのクルーとして創設以来、日本のストリートシーンに影響を与え続けている430。そのオリジナルメンバーであり、プロBMXライダー/ディレクターの上原洋氏。現役ライダーの活動のみならず、ブランドやイベントプロデュース、また会社組織の長として幅広く活躍している。これだけ多角的に展開していると、いろいろ苦労もありそうだが、本人はそんな素振りをまったく見せず、430の結成秘話やブランド立ち上げの経緯、海外に住んでいた時期のこと、そして確固たる自分のルールなど、様々な体験を飄々とした語り口で喋ってくれた。多くの人たちを惹きつけてやまない人間性と、未来への道を突き進む漢気。日本のBMXカルチャーに欠かせない人物だと実感できるひとときだった。


好奇心のトビラを開けた者だけに転がり込んでくる輝かしい未来

―現在、ブランドやイベントプロデュース、または会社組織として多岐にわたって活動している430ですが、その始まりはBMXライダーのクルーなんですよね?

「そうです。1996年に(田中)光太郎と大会に出るときにエントリーシートを書かなければいけなくなって。そこに住所、電話番号、その下にスポンサーという欄があったんです。聞いたら、うまいライダーはこの欄に自分をサポートしてくれるメーカーなどを書けるらしいと。それで俺らもなんか書きたいよね、ということで、その日が4月30日だったから、430でいいんじゃない?ということになったんです。ただ書きたいだけだった(笑)。大会がスタートして、MCの人がスポンサー欄を読み上げたときに、「フォーサーティー!」と言ったんです。なんか響きもいいなと思いましたよ(笑)。その頃、僕は岡山県の洋服屋でバイトをしていたので、430のTシャツも作ってやろうと思いましたね。岡山という土地柄、洋服やデニムの工場が充実していたので。それで友達にデザインをお願いして、作ってもらったのが96年。アパレルの原型ですね」

―アパレルとして本格的にスタートしたのはいつですか?

「その後、大会に優勝してプロのBMXライダーになったことで洋服やシューズブランドのスポンサーがついて、とあるストリートブランドでアシスタントとして働かせてもらえることになったので東京に上京したんです。そこではブランドの様々な実務を学ぶことができましたね。自分をフックアップしてくれた先輩には、「自分は430というチームを結成していて、Tシャツとかを作っている」と伝えていたんです。あるとき、「お前、洋服ブランドをやってみる?」と言われて即答しました。それで2001年に本格的にスタートしました」


―ブランドは最初から順調でしたか?

「いや、厳しかったですよ。本当にゼロから作っていたので。2~3年模索しながら続けていく中で、あるタイミングで先輩の会社が法人化することになったんです。そこで「ワンセクションになるか、自分たちでやるかどっちか決めてくれ」と言われて、すごく悩んだんですよ。先輩のことがすごく好きだったし、着いていくという考えも頭をよぎった。でもいつかは独立したいと思っていたので、どうせ後でやるなら今だと。それで独立したんです」

―上原さんはそのくらいの時期に海外に住んでいますよね。

「そうですね。25歳で独立して、一緒に始めたノブとデザイナーと3人態勢でお金を貯めながら法人化するために頑張っていました。それで2003年くらいに有限会社を作ったんです。そのときに自分が子供の頃に思っていた夢を全部達成してしまった感があったんですよ。アマチュアの大会で優勝して、プロBMXライダーになれた。スポンサーもついて、自分のブランドができた。仲間と独立して、法人化もできた。全部夢が叶ってしまって、心にぽっかりと穴ができてしまった。だから何か新しい刺激を求めていたんです。それで香港に住むことにしたんです」

―香港は遊びに行くイメージはありますけど、住むイメージはあまりないですよね。香港を選ぶ何かきっかけがあったんですか?

「たまたま2004年に香港でJapan Expoみたいなイベントが開催されたんです。日本のいろいろなドメスティックブランドが呼ばれて行ったんですけど、430も選ばれたんです。BMXのショーもやりました。そのときに俳優のサム・リーやSubcrewというストリートブランドをやっているフランキーなど、面白い人たちと出会ったんです。今までアパレルを軌道に乗せるために海外へ行くことができていなかったので、いろいろなことがすごく新鮮だった。それでノブに、「香港には何かがある。ちょっと香港に行ってくるわ。連絡はパソコンとメールがあるから大丈夫」と伝えて。それで香港にしばらく住むことになったんです」


―サラっとすごい決断を(笑)。

「漠然とだけど次のステップに進まなければいけないと思ったんですよ。フランキーが香港の工場と繋げてくれて、作り方を工夫すればキャップの生産などが日本よりもローコストでできることになったんです。だからただ闇雲に行ったわけではないんですよ。映画監督のエリック・コットがプロダクションをやっていて、そこに入れたので、BMXに乗りながら、洋服のデザインの仕事もして、という生活を2年半くらいしていましたね」

―香港に住んだことは今に繋がっていますか?

「あの経験がなければ、430は続いていなかったかもしれない。当時、香港に住んでいる変わった日本人がいる、ということで会いに来てくれる人がいたし、今も繋がっていますからね」

―好奇心を持って知らないところへ飛び込んでいけるのは、すごいことだと思います。

「トビラを開けると新しい世界があるじゃないですか?開ける前は多少躊躇するけど、開けてしまえばどうにかなるんですよ、絶対に」


―先がどうなるか、という怖さはない?

「だってトビラの前で立ち止まっていてもどうなるか分からない。ドアを開けてもどうなるか分からない。なら開けてみようと。開けなければよかったという後悔と、開ければよかったという後悔があったとしたら、前者を選んだほうがいいと僕は思っています」

―自分が好奇心をかき立てるものに、がむしゃらに向かっていけるスタンスは、どのように形成されていったと思いますか?

「東京に来たこともそうですし、ドアを開けることをやめるとつまらないんですよね。それだけです。ずっと同じ場所にいなくてはいけないという辛さと、ドアを開けたあとの辛さは、どっちも辛いじゃないですか。なら自分で選んだ辛さを体験したい。それがモットーです」


―素晴らしいモットーですね。そしてブランドのこともお伺いしたいのですが、毎シーズンテーマを設けているんですよね。

「そうです。変わらない理念みたいなものがあって、「EVERYTHING IS FUEL TO OUR ENERGY(取り巻く環境全てが原動力)」というのがブランドの根底にあります。そして毎シーズンテーマを変えています。今シーズンはSTUFF YOU NEEDがテーマ。“あなたの必要なものになりたい”など、そういう意味があります」

―そういったテーマのアイデアソースとなっているものはなんですか?

「具体的なテーマはライフスタイルをそのまま反映している。例えば何十年代のアメリカのデニムのなんたらというディテールより、自分たちが欲しいものをダイレクトにカタチにしている。僕らのフィルターに通したら、伸びる素材のほうがいいよねとか。だからデザインには自分たちの経験からくる素材選びや、音楽などからのインスピレーションを大切しています」


―今回、KODEのためにサコッシュを制作してもらいましたが、使い心地や素材にこだわりがありますよね。

「そうです。例えば遠征先に行くときに、リュックに洋服を入れていくとする。そのリュックを背負ってBMXには乗れない。そんなときにサコッシュが便利なんです。畳んで入れておくことができるので、そういう携帯性も抜群です」

―そして耐久性もすごくいい。

「そこは他のブランドとの差別化というか。僕らは基本、BMXライダーなので、なぜこういう素材を使うのか理由がある。使っていく中で擦れることもあるし、そこらへんにボンと投げて置くこともあるので。だから耐久力のあるものがいいんです」

―自身での体験が落とし込まれているんですね。ロゴデザインも存在感があります。

「430のロゴは結成されてからずっと変わらない、うちのアイコンなんです。強いチームって、アイコンも強いんですよ。どんなにカッコイイ名前のブランドでも、それがないともたないと思う。だから430の結成日が4月30日で本当にラッキーだった(笑)。ゴロも響きもいいし。外国人にも、覚えやすいとよく言われますよ(笑)」


―(笑)。そんな430の今後の展望は?

「BMX業界も盛り上げていきたいし、430をもっとみんなが知っているような存在にしたい、というのがあります。あと僕個人としてはBMXをもっとうまくなりたい。一番カッコイイBMXライダーでありたいですね」


遊びやライフスタイルの中から生まれる430のアイテムやプロデュースイベントの数々。それは上原さんの未来のトビラをガンガン開いていく姿勢と直結している。その抜群の行動力で今後も面白いことを、続々と仕掛けてくれることだろう。

今回のKODEメンバーのために製作されたKODE × 430 オリジナルサコッシュを150名様にプレゼント。タイベック素材を使用しており、抜群の耐久性を実現。ロゴ部分もコラボならではのデザインで様々なコーディネイトに取り入れやすいアーバンライクなアイテムに仕上がっている。


詳細はKODEメンバーに登録/ログインしてチェック。





430
http://www.t430.com

Hiroshi Uehara
Instagram:@hiroshi430

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