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写真の本質を問う弱冠20歳のフォトグラファー青木柊野の全貌

異彩を放ち、新たな時代を感じさせるフォトグラファーの現在地

弱冠20歳ながら、[UNDERCOVER]や[BEDWIN & THE HEARTBREAKERS]などのブランドから撮り下ろしで指名を受けるなどファッションでの起用を受けつつ、独自の写真表現で昨年までに二度の個展を開催してきたフォトグラファー、青木柊野。自身の作品においては、既存の「写真」という枠に留まらず、コンピュータ上のバグを利用した作品から、写真に意図的に傷をつけたものなど、新たな手法で写真へのアプローチを続けている。219日より早くも三度目となる個展、神保町・TERRACE SQUAREでの展示を控え、更なる活躍が期待される青木の写真に賭けるアイデンティティに迫った。




− 写真を撮り始めたきっかけを教えてください

高校一年生の時、ずっとやっていたサッカーを辞めたタイミングで一眼レフを買ったんです。それまでは別に写真に興味があったわけでもないし、家に写真集があるような家庭でもありませんでした。強いて言うなら、祖父の家から下心で持ってきた、篠山紀信さんの『Santa Fe』くらい(笑)。

最初は何も考えていなかったけど、徐々に『コマーシャル・フォト』とか、専門書を買って勉強するようになりました。あと女優の蒼井優さんが好きで、写真集『ダンデライオン』を読んでいたときに、撮影されていた写真家の高橋ヨーコさんを知って。そこからロードトリップの写真とか、いいなぁって感じるようになり、マイク・ブロディ(アメリカの写真家・17歳より貨物列車に乗り込み旅をしながら風景や人々を撮影)にも影響されて、バイトしてお金貯めては週末どこか行く、みたいなことをしていた時期もありましたね。


− 当時は友達の撮影もされていましたよね

友達も撮ってはいたんですけど、「なんとなくこれじゃない」って感じはしていて。旅をして撮った写真も、「なんとなくこれじゃない」って思っていました。行った場所が多分ハマっていなかったんでしょうけど。それからは遠くに出るというよりも、自分が撮ったものに対してなんらかの変化をつけたり、写真そのものを再定義するようなことをやっています。例えば安いデジタルカメラを買って、センサーの部分を意図的に傷つけると、出てくるイメージ全てが、傷のついた写真になる。フォトショップをいじっていたときに、液晶の上でバグが起きたんです。そうしたらバグによって写真がめっちゃかっこよくなっていて、これは作品にできるなと。それが昨年暮れの展示(2018年11月6日〜12月1日にzakura photo concept shopにて開催された青木柊野個展「ルミニャス ボディーズ(luminous body’s)」)です。撮影したものに何かしらのフィルターをかけることが、僕にとって「写真を作る」作業なのかもしれない。




偶然生まれたバグだったんですね。

偶然でした。今ではその状況を意図的に作り出すこともできちゃいますけど(笑)。

 

作品を作る上で、「撮る」という行為は楽しいですか?

楽しいですね。でも、「撮ったものをそのまま発表しよう」という気持ちはあまり強くなくて。単純に「撮る」という作業は普遍化しているじゃないですか。でもそのあとに変化を加える行為は、誰もがやろうと思っても、ちょっと難しいはず。写真というものを拡張したい。若いから。



写真を撮ることや、何らかの変化を加える工程もそうですが、考えながらものを作られている感じですよね。

作品をつくる時に限らず、頭の中でずっと何かを考えているんですよね。大学をやめるタイミングくらいから特にそう。実家を出て友達とルームシェアをはじめてから、部屋が人と人が交差する場所になったことがきっかけかな。家に帰れば知らない人もだいたい誰かいるみたいな、カオスな状況。よく集まるメンバーの中に、哲学好きなやつがいて、飲みながら哲学の話をするんです。専門的なものというより、「何で生きているの?」みたいな話を、ひたすら朝までやる。激論して雰囲気悪くなったりするときも(笑)。



集まるメンバーは写真をやっている仲間?

写真をやっている子もいるけど、僕とは違う路線、ファッションやっていたり、普通に大学生だったり。でもなんとなく共通しているのは、生きている上でのわだかまりみたいなものを感じていること。僕くらいの世代の、ひと時の感情なのかな。なんとも言えない何か、みたいな。そういう感情は作品づくりのときにもふと沸き起こるし、その何とも言えない感情を、作品をつくることで少しずつ明確にしているというか。それが今の衝動なのかもしれない。

 

今後はどんなことをやっていきたいですか。

「写真」の枠組みや定義を拡張していきたい。あとは、写真集を作ることですかね。写真集というフォーマットに落とし込む作業も通過点だと感じるので。神保町の個展ではエンジニアの力を借りて、AIの自動画像生成技術を駆使した作品を展示する予定。写真というものを、根本から定義することに、これからも挑んでいきたいですね。





テラススクエアフォトエキシビジョン#12 青木柊野 「autonomy

住所千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エンントランスロビー

開催日時:2019219~517

開館時間8:00~20:00

休館日:土曜・日曜・祝日

入場無料

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