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アメリカンカルチャーを発信するPORKCHOP GARAGE SUPPLY

アメリカンカルチャーを発信する
東京に息づくU.S.ガレージ

音楽、ファッション、映画……アメリカが生み出したカルチャーは枚挙にいとまがない。それらはいつの時代も若者を魅了し、咀嚼され、新たなムーブメントを生み出していく。ここにもアメリカンカルチャーに心を奪われた男がいる。それがこの人、ヴィンテージバイクやホットロッドに心を奪われたペインター、Fusty Worksの杉原ケンさんだ。彼はホットロッド専門店Valley Autoの米内さんとともに、ガレージで使えるモノに照準を定めたPORKCHOPというブランドを立ち上げ、2017年3月にPORKCHOP GARAGE SUPPLYをオープンさせた。そこはまるでのアメリカにタイムスリップしたかのように錯覚させる内装で、PORK CHOPのオリジナルアイテムやセレクトしたヴィンテージ品がラインナップしている、男ならワクワクすること請け合いの空間。国も時代も異なる現代の東京の一角に、なぜこのお店が誕生したのか。杉原さんが歩んできたペインターとしての足跡をたどりつつ、ショップの世界観に迫る。

 



− Fusty Worksとしての活動以外に、CHALLENGERやRATS、M&M、それにBOUNTY HUNTERやNEIGHBORHOODなど様々なアパレルブランドのデザインでもお名前をお見かけします。どのようなお仕事が多いですか?

アパレルのデザインをやっていると思われがちだけど、絵描きです。パッケージデザインの仕事が多くて、横浜ベイスターズが横浜スタジアムで販売しているビールのラベルなんかも描いています。でもやっぱり、家やお店で額に入れて飾るための絵を描くことが多いかな?


なぜペインターになったんですか? ルーツを教えてください。

うーん……ルーツといえば、ガキの頃から他の人より絵がうまかったと思います。子どもの頃によく観ていたのは海外の絵本。モーリス・センダックの絵本が一番好きでした。あと、風刺画とかもよく観ていたし、絵そのものが好きだったけど。



その頃から、現在の作風でしたか?

俺、ロック野郎だったから、当時は骸骨ばっかり描いていましたよ。今は、古いテイストを描いているとか、ローブローアーティストとかってよく言われるんですけど、俺はそんなこと言ったことが一回もなくて。もちろん、今回は60年代のイメージがいい、70年代のテイストにしよう、っていうテーマはあるけど、基本的に時代設定はありません。あくまで今は現代なので。


作品はすべてアナログで描かれていますか?

もちろん。基本的には原画とデータで納品しています。昔は原画だけ渡していたんだけど、スキャンの仕方や機材ひとつ変わっただけで自分のイメージと異なることが多かったからデータでも納品するようにしました。


絵だけで食べていけるようになったきっかけはありますか?

コレっていうのはないですね。日本って絵を買う文化が根付いていないから、5000円稼ぐのも大変なんです。5000円の仕事から3万円の仕事になって……徐々に、徐々にって感じです。はじめの頃は自分が描いた作品がTシャツになるだけでもすごく嬉しかったですよ。でも、その喜びも一瞬。バイトなんてしてる時間ねぇなって思って絵に専念するようになりました。





どういう経緯でこのお店をオープンしましたか?

ノリで(笑)。 前々からPORK CHOPのブランド自体はやっていたけど、お店があったらいいなって相棒の(米内)タクロウくんと話していて。この場所に有名なバイク屋があったんですけど移転しちゃったので俺らで借りて、今年の3月で2周年になります。俺も相棒も、今まで小売業なんてやったことがないから手探りの営業でした。俺なんて、今もレジを打てないですからね(笑)。周りの仲いいブランドから勉強させてもらっています。俺らは素人の集まりだったから、やっとスタートラインに立ったくらいですね。


そもそも、PORK CHOPの名前の由来とは?

偶然、俺とタクロウくんが近所に住んでいました。その町には昔から養豚場があったんですよ。でも6〜7年くらい前に、その養豚場がなくなっちゃって。タクロウくんと寂しいねって話しをしていて、ブランド名に豚(PORK)を使おうってことになりました。CHOPは、俺らが好きなチョップカルチャーから。CHOPは〈ぶった切る〉って意味なんですけど、“チョッパー”っていう種類のバイクもあるし、ホットロッドだったら車体を詰めて屋根を低くしちゃうカスタムを“チョップドトップ”って言います。ホットロッドって、お金持ちが車をカスタムして遊んでいたことが発祥なんです。“オリジナルを崩す”というのが粋ですよね。それから50年代の若者たちに広まっていった訳です。



ホットロッドは不良カルチャーというイメージです。

そのイメージのままですよ。ロクでもないヤツらばっかり(笑)。海外でホットロッドが好きなのは、不良かお金持ちのどっちか。結局、お金持ちが不良ってことになりますよね(笑)。


お店のコンセプトを教えてください

タクロウくんと一緒に、毎年カリフォルニアに行くんですけど、向こうのお店の壁とか、マジで意味分かんねぇ色だったりするんですよね。それがすげぇカッコいいんですよ。近年はブルックリンが流行っていますけど、俺らが好きなアメリカはLAのガーデナっていうエリアなんです。そこにある金物屋をイメージしたり、モーテルにあるようなネオンを使ったりしています。


 現地の雰囲気を忠実に再現しているんですか?

“日本ならではの〇〇”ってみんなやりがちだけど、俺らはこのお店で日本っぽさを出そうとはしていません。ニューヨークもカッコいいんだけど、俺らが好きなアメリカって田舎のこの感じなんですよ。向こうって時間が止まっているんですよね。俺は80年代の映画を観て育ったから、その空気がちょっとだけ残っていて。そういう空気感が日本でもあればいいなって思って、このお店で具現化しています。



80年代のアメリカを好きな人は多いですよね。

俺は79年生まれだから、ガキの頃は80年代の映画を観て育って、カルチャーは90年代から影響を受けました。俺らが過ごしたのは、例えばスケボーだったら80年代後半のオールドスクールからニュースクールに移行する時期。ちょっと掘ると80年代のものにたどり着く。おもしろい時期ですよね。



ポークチョップは具体的にどんなアイテムを展開していますか?

 雑貨が多いです。本当はノベルティみたいにお土産感覚で雑貨を作っていたつもりなんですけど、俺らも含めてみんな洋服が好きだから洋服も作るようになりました。でも、アパレルメーカーにはしたくないんですよね。だんだんアパレルが多くなっちゃっているけど(笑)。


 最初に作ったアイテムは?

なんだっけ? エアフレッシュナーか。ロングセラーです。



オープン当初と現在で、変わった部分はありますか?

 マニアックすぎるのもよくないのかなって(笑)。アメリカにあるけど日本にはないもので、俺たちがいいと思っているものを販売しているんですけど、まったく需要がないものもある(笑)。アメリカって、窓に直接“FOR SALE”って書いた車が走っているんですよ。自家用車を売りたい人が、値段から電話番号まで窓にマーカーで書いちゃっていて。それがすごく好きなんです。日本でも車を売りたいなら窓に書いちゃえばいいし、好きな言葉を書いたっていいし。それを書くマーカーを販売したんだけど全然売れませんでした(笑)。


 今後のビジョンを教えてください。

 本当はカリフォルニアに移住したいけど、今は日本も楽しいなって思っちゃっていて。まだ人生は続くから、ゆくゆくは……って感じですかね。お店としてはコツコツ楽しくやっていきたいです。




PORKCHOP GARAGE SUPPLY
東京都大田区北千束2-24-4
HP: https://porkchop.jp
Instagram : porkchop_garagesupply

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