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ブログから生まれた町の自転車屋「BLUE LUG」

今年11周年を迎えた、数多くの自転車ファンから愛される店「BLUE LUG」。今では全国、いや世界中から無類の自転車マニアが訪れる名店であるが、そのはじまりはオンラインで自転車用のカバンやアクセサリーを販売するセレクトショップに過ぎなかった。今回はなかなか語られることのないBLUE LUGの誕生秘話から、ピストバイクをはじめとしたカスタムバイクの魅力についてBLUE LUGオーナー足利 敏浩に聞いた。


ー14年前になんとなく書きはじめたブログ


BLUE LUGの発端は、14年前に足利がなんとなしに開設したブログにある。当時は ”ブログ元年” ともいえる2003年。ライブドアブログがサービスを開始し、翌年にはamebaブログやmixiが誕生した時代である。「周りの人が書きはじめてたし、のり遅れちゃいかん」と思ってはじめたそうだ。それからしばらくして、知人を介してアメリカを拠点にBLUE LUGを共に運営することとなるワカコという女性に出会い、サンフランシスコで流行っているらしいピストバイクの存在を知る。

あまりにもシンプルで格好良くて早そうで、しかも日本製のパーツばかり使っているのに日本に住んでいる自分は見たこともない自転車に魅せられた足利は、その日からピストバイクの情報収集に夢中となり、いつしかブログはピストバイクに関するレアな情報が発信される場へと姿を変え、そこには情報に飢えたバイカー達がどんどんと集まってきた。そこで改めて自転車ネタ専門のブログとして開設したのが、今もBLUE LUGの公式ブログして運用され続けているものである。今でこそ海外の自転車グッズを扱う店舗は増えたが、10年前は個人で海外から取り寄せるしか術がなく、せっかく取り寄せるならとお裾分けの気持ちからブログ読者分も購入するようになりオープンした小さなオンラインストアが「BLUE LUG」である。


ー「町の自転車屋さん」であること

BLUE LUGの路面店は幡ヶ谷・上馬・代々木公園の3ヶ所に存在する。どの店舗も軒先きに自転車ラックが設置されており、ドアをくぐるまでにゆとりのあるスペースが用意されている。「どんなお店でも、初めてのお客さんに入ってもらうことはすごく難しい」という足利の考えから、通りすがりの人とも世間話ができる空間を店先に設けることで入店のハードルを低くするきっかけになればと考えているのだという。

「自分は自転車屋さんには恵まれなかったかもしれない」と振り返る足利が目指しているのは、店員さんとコミュニケーションがとりやすく、立ち寄りたくなる「町の自転車屋さん」だ。自転車は買ったら終わりではなく、空気入れ・修理など日常的なメンテナンスが発生する。そうした時にすぐに立ち寄れる町に根付いたお店でありたいのだという。たしかに購入店が徒歩圏内でなければ、壊れた自転車をそこまで押して運ぶのは少々現実的ではない。

自転車のパイプを繋ぐ金物「ラグ」

BLUE LUGは単なる自転車を買う店ではなく、自転車をきっかけにした長いお付き合いを前提としているのである。ちなみに「LUG」は、自転車のパイプとパイプを繋ぐ金物の「ラグ」が由来だそうだ。「人と人とが繋がる場所をつくりたい」という足利の想いは、実際に路面店に足を運ぶと分かるだろう。自転車屋とは思えないほどに、常に何人もの自転車好き達がBLUE LUGのスタッフと和気あいあいと話している光景が広がっている。仕事帰りにも立ち寄れるようにと、22時まで営業している点も魅力的である。仕事を終えて、BLUE LUGで空気入れがてら立ち話をして家路につく。日常の繋ぎ目としても、町の自転車屋さんは活躍しているのだ。

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