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古着屋Gouldが提案するオンリーワンなスタイル


「他では置いていないものを置きたい」店主のこだわりが詰まった商品ラインナップ

下北沢や高円寺など、古着のメッカとされる場所がある一方で、古着屋不毛のエリアに悠然と佇む一軒というのは、わざわざ足を運びたくなる名店に違いない。ビンテージとは少し縁遠い街・豪徳寺に昨年11月にオープンしたGouldの店主を務めるのは、もともとスタイリスト志望だったという井上拓也さん。独自の審美眼でセレクトされた服は、ベーシックなポケットTシャツでもカラーリングが絶妙だったり、「まさかここに?」という場所に刺繍が施されていたり。「一味違う」などという言葉では味気ない、「どう組み合わせようか」と考える時間が幸福感で満たされそうなアイテムが揃う。こだわりが詰まったセレクトの裏には何があるのか、話を聞きながら紐解いていく。


—下北沢や高円寺のような古着屋が多いエリアではなく、敢えて古着屋がない豪徳寺でお店を始めたのはなぜですか。

確かに誰も古着屋をやっていない場所でしたが、豪徳寺という場所自体が次にくるかもという予感がしていたんです。あとはお店を始めるなら大手のチェーン店があまりなくて、個人店が多いところが理想だなと感じていて、豪徳寺はその部分でもフィットした感じがあります。知り合いが多くて、どこか縁を感じる街だったことも大きいですね。


—以前は下北沢の古着屋hickoryで働かれていましたよね。いわゆるアメカジの名店として知られていますが、井上さんがオープンされたこのお店はまた違った感じがします。

買い付け自体はアメリカなんですけど、“他では置いていないものを置きたい”という気持ちが強くて。ちょっとバカになって着てもらえると楽しいんじゃないかな、というアイテムが多いです。


—買い付けに行くのはアメリカのどの辺りですか。

東も西も両方行っています。来年はヨーロッパにも行きたいなと思っていて。世界中どこにでも行きたいです。


—古着を買い付けるときに、たくさんの服を見ると思うのですが、選んで持って帰ってくるものにはどのような理由がありますか。

行き当たりばったりな部分もあるので何とも言えませんが、最終的にはメンズレディース関係なく、自分が着たいと思うかどうかです。組み合わせたい、スタイリングしたい、という思いが強いのかなと。たとえレディースでも「こんな風に合わせたらいけるな」とか考えます。

—現在店頭に並んでいる商品で、オススメの商品を紹介していただきたいです。



これはゴリゴリ80sのシャツですよね。柄もいいしサイズ感も完璧。あとは肩口にプリーツが入っているのも、面白いポイントのひとつです。


やりたい放題ですよね。モンドリアンの抽象画っぽい切り替えに、アフリカ的な民族感。そしてタグも可愛い。無茶苦茶なアイテムだけど惹かれてしまう。見つけたときにはすごいテンションが上がりました。クリーンに着るのがおすすめです。


このシャツは50年代のものです。胸ポケットの部分も捻りが効いていて、「ナイスビンテージ」って感じです。


このTシャツを着るとポーカーをしている人になれます(笑)。羞恥心を捨てて堂々と着て欲しいです。色々な服をお見せしましたけど、僕はベーシックな服やトラッドなスタイルも好きなんです。でもそのままカッチリと着るのは面白くなくて。例えば、ものとしてはアイビーっぽい服だとしても、そうじゃないように着るのが好き。それはお客さんに対してもですかね。


—お客さんに服を提案するときには、接客する中で感じるキャラクターなども勘案しながらという感じですか。

そうですね。もともとスタイリストを目指していたという経緯もあるので。お店でスタイリングができている感じもあります。


—お店に置いているアイテムは、年代にもこだわっているのですか。

60年代とかのビンテージも好きなので、置けたらいいなとは思っていますが、たくさん見つかるような時代でもないので。少し後の時代の面白いものをメインに、ちょこっとビンテージを差し込む感じですかね。


—逆に「これは置かないぞ」みたいに決めていることもありますか。


ありますよ。自分の中で、「これは置いたら負けだ」と決めているジャンルもあって。そんなことを言いつつも、良いものがあれば「これはありだな」って自分を納得させて、買い付けちゃうこともあるんですけどね。


—セレクトする服以外のこだわりも教えてください。

音楽はCDもかけますが、MDもかけています。これは原点回帰というか、18歳くらいから20代前半って、そんなにお金を持っていないじゃないですか。その時にどうやって音楽を聞くとかといえば、レンタルショップで借りて、うつしまくるしかなかったんです。そういう過去も自分のバックボーンだなと思っていて、お店をやるならMDをかけたいとずっと思っていました。


—音楽も好きなんですね。


色々なジャンルを聞いてきましたね。ちなみに店名はピアニストのグレン・グールドに由来しています。お客さんからグールドの関連グッズをいただくこともありますよ。


—これからはどういうお店にしていきたいですか。

お店の世界観がある程度は作れて来たかなという実感はあるので、改めて誰も突いていないような絶妙なラインを、これからも攻め続けていけたらと思っています。


Gould
住所 : 東京都世田谷区豪徳寺1-35-3
TEL : 03-5426-4440
営業時間 : 13:00~21:00(月〜土)12:00~20:00(日・祝)木曜定休

Instagram : @gould.gotokuji
https://s.ameblo.jp/15400211353/

Text : Shunpei Narita
Photo : Masahiro Ibata

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