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GraphersRockがPUMAとのコラボを語る

グラッフィックデザイナー岩屋民穂ことGraphersRockが今月、2度目となるPUMAとのカプセルコレクションを発表した。GraphersRockは、前コラボ・コレクションで提示したテクノ、サイバーパンク、工業製品といった世界観を引き継ぎ、拡大。本コレクションでは、スニーカーとバックパックだけでなく、記号やタイポグラフィーを全体に散りばめたアパレルもラインナップに並ぶことがアナウンスされている。今回KODEはGraphersRockが本カプセルコレクションに込めたこだわりを聞いた。

GraphersRockは、今回スニーカーとバックパックだけではなく、アパレル・ウェアも制作し世界観の拡張を試みた。ただしPUMAからは「なぜアパレルをPUMAでやるのか?」という根源的な宿題をもらっていたと語る。

そこで岩屋は、PUMAのデザイナーと一緒に「なぜアパレルをPUMAでやるのか?」を前回のコレクションからの反響をもとに考え直した。そこで浮き上がってきた購入者やファン像は、クラブに足繁く通う音楽ファンの姿。その仮説をベースに、岩屋は「例えばクラブシーンとかフェスで機能するスポーツウェアを提案しよう」と、テーマを固めた。岩屋は音楽ファンである自身の経験を例に引きながらそのアイディアをこう語る。


「例えばクラブにカバン持っていくと置き場に困ったりしますよね。ロッカーもいっぱいだったりするし。できるだけ身軽に行けるのが理想。そういうちょっとした不便さをウェアで補えるように、全部ジャケットの中に荷物を入れることができるようにしようと。バッグと同化できるようなイメージで、手ブラで遊びにいけるようにしたかった。通常アウトドアウェアやスポーツウェア等はポケットが多く付いていたりしていても、動きやすさを絶対に犠牲にしないようにしている。でもこれは日常の中でのスポーツウェアという前提だから、多少着心地が悪くなったり動きづらくなってしまってもノートPCやタブレットPCが入る方のプライオリティもあるんじゃないかと、そのトレードオフをユーザーが選択出来る余地を作りました。またクラブ内で上着を脱いだ際、ストラップを付けてバッグのように使用できるようにしたり、この辺は様々なアウトドアウェア、スポーツウェアやミリタリーウェア、現場作業着等を参照しながら、日常生活やクラブで使いやすいようにしていきました。またそういう観点から自身が学生時代によくクラブに着ていっていた、全身が収納ポケットになっているFINAL HOMEからの影響も大きいです」(岩屋)


このようなテーマは暑い時も寒い時もクラブに毎週通っていないと出てくることはないだろう。そして、岩屋が語るそのシチュエーションを、クラブ通いしている人なら容易に想像することができることは間違いない。しかし、この日常の不便さ、カルチャーを楽しむ時の不便さを乗り越える考えはあっても、今度はそのファンクションをウェアとして実現させることは難しい。だからそこでスポーツウェアの専門ブランドであるPUMAとのコラボが生きてくる。「普通のアパレルブランドじゃなくて、スポーツウェアを普段から作ってるPUMAでないと機能を担保できないと思うんです。さっき言ったPUMAから貰った宿題に対する答えになるんですが、こういうテーマだったら、PUMAとやる意味あるんじゃないかってプレゼンしたんです」。


岩屋はそれを「クラブやミュージックシーンで機能するスポーツウェア」と定義する。また、岩屋はワークウェアからも着想を得たようだ。工業製品やプロ用の道具が好きな岩屋は普段からホームセンターに通い、工事現場などの過酷な環境や身体を動かしながら知的な作業を行うユニフォームである現場用作業着などをチェックしていたようだ。

本コラボレーションの中で最も制作が難しかった点は、さまざまな箇所にプリントを行うためのパターン作りだったと岩屋は語る。岩屋の過去の作品や前コラボからもわかるように岩屋のデザインの特徴は、無数のロゴを散りばめるスタイル。パタンナーの人とその無数のロゴを型紙に落とし込んでいく作業が大変だった。


「いろんな所にプリントが入ってる。だからその分だけ、ロゴを服に印刷するためのシルクスクリーンの版を作らなきゃいけないんです。普通のTシャツなんかの胸にワンポイントなら、SサイズからXLサイズまで1枚の版で作れちゃうんですが、ウェアの全身に所々に入ってると、サイズごとに位置がずれてしまう問題が出てくる。だから、たくさんのサイズやパターンに対応した版の数を作らなきゃいけなくなるんですよね。そこが一番むずかしいポイントであり、譲れなかった点ですね。PUMAのデザインチームの人を結構苦しめてしまった部分でもあるんだけど。でもそこはこだわらせてもらって作らせてもらいました」(岩屋)

ただ予算や工数の問題もあり、無限に版を作製できるものでもない。もちろん岩屋はもっと多くのデザインを入れてたが、版の数を節約するようにお願いされたそうだ。そこで岩屋は自分のこだわりを通すために、いろんな工夫を凝らした。

「例えば、ここををちょっとずらすと、ここの部分とここの部分の版を分けなくても済むな…。っていうのを、パタンナーの人からのフィードバックを理解しながら、うまくやったりしていました」(岩屋)

PUMAとGraphersRockによるコラボカプセルコレクションは12/1よりプーマストア原宿やオンラインストアで先行発売される予定だ。ストアで手にとって、そのこだわりを確認してみてほしい。

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