search search

GraphersRockのパッケージ・コレクション

意味ありげで意味のないロゴを配置しながらフィクショナルなストーリーを構築する、グラフィック・デザイナーのGraphersRockこと岩屋民穂。その彼は制作の参考素材として、そしてイマジネーションのリソースとして、日頃からコレクションしているものがある。何気ないパッケージと作為のない印刷物。彼のスタジオには所狭し多種多様なパッケージが置かれ、ファイリングされている。

岩屋はその行為を「拾った石がたまたま綺麗だったから集めている」と例えるが、その収集癖には脱帽するばかりだ。パッケージと印刷物のコレクションは、銀座・資生堂パーラーのレシート、Amazonで買ったケーブルの袋、海外の出前一丁のパッケージ、鼻炎の薬の箱、海外の瓶、缶、お菓子…とあげ始めればキリがない。


「たとえばこの点鼻薬のパッケージは、通常、医療関係者しか見ないでしょ?だから媚びてないかっこよさっていうか、情報が分かりやすくただ伝わればいいという佇まいのかっこよさがあるんですよね。薬局の点鼻薬のような主張するパッケージとは違う良さがある」(岩屋)


集めるのが好きなら「トレーディングカード」などの価値の出そうなものを集めることもできるはずだが、岩屋はそれをしない。

「価値の定まっていないもの、集めていく過程の中で自分で価値を定められていくものだから意味がある。トレーディングカードなんかは、作ってるメーカーがある程度決めた価値に合わせて集めていくしかないから」(岩屋)

ー パッケージ収集で骨折

岩屋のパッケージ収集のコツはとにかく歩くこと。現地のコンビニ、スーパー、ホームセンター、ドラッグストアをローラー作戦でくまなく回る。海外に行くと1日に2〜30km歩いたりすることもあるとか。岩屋はなるべく電車移動しないことにしているそうだ。なぜなら電車で移動しちゃうと、個人商店のような小さいお店や偶然出会える店を発見できないとのこと。岩屋はあるきすぎて訪れたニューヨークで疲労骨折してしまったという逸話も。トータルで3日で100kmくらい歩いていたそうだ。岩屋を動かすその感覚を「宝探し」と言い切る。

「デザインの元ネタを集めているんですよ。他のデザイナーよりいろんなことをインプットしておきたいみたいな欲がそうさせるんじゃない。インターネットで出てくる情報じゃ見つからないじゃん、こんなわけわかんないパッケージとか。それが見つかるのはでかいよね」(岩屋)

岩屋がパッケージに惹かれる理由はどこにあるのだろうか?岩屋はパッケージについて「パッケージは、デザインの役割を的確に表しているんですよね。商品があって、それをうまくよく見せるためのデザインっていうところで、1番役割として正しいというか、わかりやすい。もちろん、自分自身が消費社会文化が好きだっていうところにもつながるんです」と話す。

ーパッケージから見えてくる現地の暮らし

先日岩屋はフィリピン・マニラに出張で訪れ、パッケージ収集に勤しんだ。その中でも一番気に入ってるのは、意味のわからない「アイドルチーズドック」のパッケージ。謎のアイドル・キャラのヘタウマさとなかなか食品関係のデザインでは使わない青を取り入れてる点が最高だと言う。




また、岩屋はフィリピンで見つけた注射器のパッケージを見せてくれた。フィリピンでは空の注射器が販売されており、ドラッグストアで普通に売ってるそう。その他にも日本で見る事が少なくなったハエ取り紙のパッケージ。こんなパッケージから現地の暮らしが見えてくる。

SHARE

}