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「欲しかったら作る」、ハルカの一人遊び

前2回のインタビューは、短歌や読書といった活字体験が、アーティスト・ハルカの表現にもたらす影響をテーマに進めてきたが、今回は、ハルカにとって『読むこと』に次ぐ日常である、『物を作ること』、『絵を描くこと』の魅力について訊いた。

「小さな頃から一人でいるのが好きなんで、何ごともできるなら一人で完結させたい。『あれが欲しい』と思ったら『買う』じゃなくて、『作る』から考えるんです。どうやったらどこまで自分で完成させられるか。だから家具なんかは、思い立ったらホームセンターに走って材料を買ってきて、自分で作っちゃいます」

そんな『一人で活発』なハルカだが、バンド・ハルカトミユキのグッズもまた、彼女のスケッチから形にしていくものが多い。

2018年2月まで行われるツアー『種を蒔く』のTシャツ。種が人から人へと。シンプルなタッチで魅せるスケッチ。

ハルカトミユキが2017年6月にリリースしたアルバム『溜息の断面図』にちなんだTシャツ。「これは相方ミユキの『断面』、脳のCT画像です。そのままだとグロかったので」とのことだが、このスケッチも、コントラストがはっきりすることで、かなり生々しくなっている。

こちらは『ゾンビキーホルダー』。てるてる坊主がなんでこんなことに……。本来願いごとの象徴でありかわいらしいイメージのある伝統的なキャラクターであるがゆえ、「スタッフ内では表に出すかどうか、物議を醸しました」とはマネージャー談。ハルカ自身は「ぜんぜんいける」と思っていたらしい。

では、ハルカは周囲の意見に反ってまで、描くことで何を伝えたいのだろうか。

「抽象画って、精神世界や衝動を感覚的に描いていくと思うんですけど、そういうことは曲に落とし込んでます。私にとって絵や物作りは、単純に『あれが欲しい』、『なんかこういうの描いてみたい』って、だから見たまんまというか、何がどうってわけではないんです」

思うことを言葉にするために考え込む歌詞、曲の世界観やパーソナルな思いを表現するためにレイヤーを作っていくサウンドなどとはまた異なる、ある意味もっとも素に近いハルカが、そこにいるのかもしれない。



TEXT: TAISHI IWAMI
PHOTO: Takuya Furusue

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