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ペインターHirottonの作品が生み出す矛盾の交錯


スケートボードを原点とした独自のスタイル

クリエイティブな活動をしているスケートボーダーは多い。TシャツやCDジャケット、フライヤーのデザインなどで活躍するペインターHirottonもその一人で、スケートボードカルチャーに影響を受けているアーティストだ。描かれる繊細な線とは対照的に、ダイナミックで存在感のある植物やスカルなどのモチーフが特徴的な彼の作品に込められたメッセージや、自身の生活の一部となっているというスケートボードの魅力について伺った。

―絵を描きはじめたきっかけを教えてください。

大阪の芸大に通っていたのですが、その時は絵を描いていたわけではなく、鉄で大きいオブジェみたいなものをつくっていました。その後、芸大を卒業してからもクリエイティブなことをしたいと思いながら、ロンドンに引っ越した時に9人くらいで住居をシェアしていたんですよね。その中に絵を描いていたやつが多くて、その影響で描きはじめました。


―Hirottonさんは「PARADOX
というご自身のアートプロジェクトを手がけられています。


「PARADOX は矛盾という意味があります。物事にはいろいろな矛盾があるけれど、要はどちらも正しいことで、そこに間違いはないと思っていて。自分の中でずっとそういう思いがあったのでこの名前をつけました。


―Hirottonさんの作品は、どのようにして生まれているのですか。

メッセージ性から入る場合と、好きなモチーフを単純に描く場合の二つのパターンがあります。こういうことを伝えたいから絵を描こう、という流れで入るときもあるし、意味がなくても単純にスカルを描きたいから描くというときもあります。


一回ラフを描いて、構成をつくってから、本番を描いていきます。最近、だまし絵みたいなものにはまっていて、これも遠くから見たらスカルに見えるけど、近くで見たら目と鼻の部分がコウモリになっていたり。そういうのも筆を進めていくうちに出来上がっていく感じですね。

―作品にメッセージを反映することもあるとおっしゃっていましたが、伝えたいメッセージというのは、Hirottonさんが常日頃からずっと感じていることを出しているのですか。

大体そうですね。ロンドンに住んでいるときは、人種差別をすごく感じていて、そういうメッセージを全面に出して描いていました。けれど、日本に帰ってきてからは、あまりそういうのを自分の中で感じていないから、他の違ったメッセージがよく作品に入ってきている印象があります。自分のいる環境によって描くメッセージは変わっていますね。


―メッセージを出すことによって、何か世の中に影響を与えたいというような気持ちはあるのでしょうか。

自分の意見を押しつけたいというわけではないのですが、「自分はこういうふうに考えているけど、どう思う? と投げかけているような感じです。人それぞれ考え方や感じ方が違うので、自分の作品を見た人が、考えていたこととリンクして考え方が変わったり、こういうふうに考えている人もいるんだって知ってもらったり。自分も生きている中でいろいろなものの影響を受けてきて、それで今の自分があるから。同じように誰かの影響の一つになれたらいいかなと思っています。

―まさにHirottonさんが「PARADOX」に込められた想いとつながっているところがありますね。

そうですね。作品を通していろんな人の考えが交錯したら面白いかなと思っています。それぞれ考えていることをお互いに理解し合っていかないと、大きな話でいうと戦争とかもなくならないと思っているので。


―Hirottonさんの作品は、スケートボードカルチャーの影響を受けているのだそうですね。

スケートボードの魅力ってクリエイティブな部分にあると思います。上手い下手というより、スタイルを重視する。みんなと違う動きをして、オリジナリティを出そうとするところも、絵とリンクしていると思うんです。アートでも、上手いだけの人はたくさんいるけど、その中でオリジナリティがないとやはり見ていても面白くないので。


自分自身もスケートボードは週に1回は必ず滑るのですが、個展などで仕事が忙しい時も、みんなとスケートをして、汗をかいて、お酒を飲んで、というのが気分転換になっています。そういう意味でスケートボードは自分の生活の一部になっていますね。

― 確かに、スケーターでありながら他のクリエイティブな活動をされている方は多いですね。

自分の中で、スケートボードカルチャーは一番かっこいいものだと思っています。スケートをしている人って、自分のオリジナルを出すにはどう攻めようかなとか、何をしたら面白いんだろうっていうのを常にみんな考えているんだと思うんです。だから、スケートボードの界隈には自然とクリエイティブな人が集まる印象があります。スケーターのフォトグラファーとか、絵や音楽をやっている人も、遊んでいて楽しいですし、考え方とかもすごく面白いですね。


―今日はスケートボードに乗ってもらいつつ、WFanハンズフリー ポータブル扇風機も使用していただきましたがいかがでしたか。

初めて使いましたが、すごく涼しかったです。途中で髪が絡まりそうになりましたが(笑)。

― 8月には個展も開かれるそうですね。

中目黒のみどり荘という貸しオフィスのギャラリーで、8月24日〜9月1日まで個展「STOKED
を開催します。今回は、スケートボードをテーマにしているのですが、今まで自分がデザインしたスケートボードデッキやその原画、さらにコラボデッキの展示販売などもする予定です。


―今後、自分の中でやりたいことや挑戦したいことはありますか。

最近、蜷川実花さんの映画『Diner』のセットの壁を描く機会があって、蜷川さんのクリエイティブな姿を間近に感じつつ、仕事をするのはすごく面白かったですね。アンダーグラウンドにこだわらず、面白い仕事はどんどんやりたいと思っています。また、海外の展示も積極的にやりたいですね。11月にメキシコでグループ展をやる予定なのですが、いつかニューヨークでも自分の作品を展示してみたいです。自分の軸はブレないようにしつつ、いろいろな仕事をやりたいと思っています。


Hirotton
1986年生まれ。パンクシーン、スケートボードカルチャーに強い影響を受けながら、生物、自然など身の周りの環境やポリティカルな内容を独自のフィルターを通して作品に反映させながら国内外問わず活躍。スケートボード、アパレル、音楽関係にとどまらず、銀座・Dover Street Marketや伊勢丹新宿店本館にて装飾を担当するなど活動の幅を広げる。個展も積極的に行い、自身のアートプロジェクトPARADOXはD.I.Y精神に基づき展開している。

「STOKED」
みどり荘ギャラリー
東京都目黒区青葉台3-3-11 3F
2019年8月24日(土)〜9月1日(日) 13:00 - 21:00
オープニングパーティー 8月24日(土) 17:00 - 22:00

Instagram: @Hirotton
Twitter: @Hirotton
http://p-r-d-x.com

Text: Ririko Sasabuchi
Photo: Masahiro Ibata

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