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様々なジャンルを飛び回る『PAPERSKY』編集長ルーカスB.B.


広い視野で物事を捉え、深く切り込むエディターシップ

カリフォルニアに住む一人の青年だったルーカスB.B.は、大学卒業の翌日、初めての海外旅行で訪れた日本に惚れ込んだ。「ここで仕事をするのだ」と心に決め、日本でライターとしてのキャリアをスタート。来日3年目となる1996年には、カルチャー誌『TOKION』を創刊し、現在は「地上で読む機内誌」をコンセプトとした旅雑誌『PAPERSKY』や、親子で楽しめるフリーマガジン『mammoth』の編集長を務めている。特定のジャンルに縛られることなく、様々な領域で人々の心を動かし続けるルーカスに話を聞いた。

—学生時代はどんなことに夢中でしたか。

小学生のときからずっと雑誌を作っていたね。住んでいたカリフォルニア州から表彰されたこともあったよ。大学ではアメリカ文化学という、歴史や政治・アートを色々な角度から捉える学問を専攻していて、在学中は新聞に寄稿することもあったし、ファッションが好きだったから劇の衣装デザインもしていた。日本に興味を持ったのは、サンフランシスコのジャパンタウンに日本の雑誌を売っている書店があって、ヨーロッパやアメリカのそれとは全然発想が違う!と感じたから。そして卒業した次の日に日本を訪れたんだ。その時はこんなに長くいることになって、しかも仕事をするなんて考えていなかったけれどね。


—自分で雑誌をつくりたいと思ったきっかけを教えてください。

こっちで仕事をすると決めてからしばらくは、主にライターの仕事をしていたんだ。でも中学の頃からの友人に久々に会ったとき、「ルーカス、なんで雑誌作ってないの」と言われてハッとした。日本に来て色々な刺激を受ける中で、自分で雑誌を作ることを忘れていたんだね。もともと雑誌を作ることが大好きだったし、こんなことをやったら面白いんじゃないかな、というアイデアもあったから、1996年に『TOKION』という雑誌を創刊したんだよ。当時の若い感覚や気持ちに正直に、ユースカルチャーやファッションを紹介していたね。



—次に創刊した『mammoth』は、子供やファミリーに向けたもので、それまでとは異なるアプローチですよね。 

ちょうど周りの友達たちに、子どもが生まれたりして、今までは自分たちの世代に向けて雑誌を作ってきたけれど、次の世代はどうなるかという視点で社会を見るようになって。そういう視点の雑誌は他にはなかったし、少し先の未来を考えたときに、何かできないかなと考えて『mammoth』を作ろうと決めたよ。



—過去には植物をテーマにした『PLANTED』や、都市生活者向けのライフスタイルマガジン『Metro min.』創刊時のクリエイティブディレクターなど、ジャンルを問わず様々なメディアを手がけられていますが、何かを作る上で大事にしていることは共通していますか。

もちろんそれぞれに違いはあるけれど、どんなものを作っていても、軸は変わっていないかな。『TOKION』を作っていたときに、“ワイドスクリーン”という言葉を使っていて。もともとソニーが「幅広い」という意味で大型テレビの宣伝に使った和製英語なんだけど、その言葉がすごく面白いなと思ったんだよね。一つのものを色々な角度、幅広い考え方で見ながら、そこにどう深みをつけていくかが未来に繋がるんじゃないかと。そうして作られたものって、どんな人が見ても絶妙に面白いポイントがある。子どものころに好きだった「セサミストリート」は、子ども向けの番組なのに親も見ていることがずっと不思議だったんだけど、実は色々な人が楽しめるように、レイヤーを分けて作られているんだよね。有名なラッパーや女優が出ていたり、大人だけがわかるジョークが組み込まれたりしてね。


—様々な対象を意識してものを作り、分け隔てなく幅広い層が楽しめること。とても素敵だと思います。

『mammoth』は「バイリンガル・マガジン」と言っているんだけど、それは言葉のバイリンガルではなくて、大人と子供のバイリンガルという意味。親と子どもが一緒に見て、面白がれるようなメディアを作っている。僕たちはイベントもやるけど、そこで作りあげる空間も、大人と子どもが一緒に遊べるようなもの。一方だけが楽しめる世界もいいけれど、同じ場所で大人と子どもが一緒に遊べるのが『mammoth』らしさかなって思う。今年の夏は鹿児島でサマースクールも開催するよ。


—サマースクールを開催されるんですね。ところで本日は、アウトドアイベントで便利なアイテムをお持ちしています。VSSLフラスクといって、懐中電灯やコンパスとしても活用できる、お酒を入れられる容器です。

屋外で使うのもいいけど、かっこいいからインテリアとして部屋に置いておくのもいいね。フラスクって中にお酒を入れて、山に登った時に頂上で「乾杯!」することができるんだっけ? 以前はよく登山もしたけど、最近は旧街道を歩いたり、自転車に乗るのが好きかな。


—屋外でのアクティビティが好きなんですね。

歩くことも自転車も好きだから、できるだけ仕事の中にも取り入れたいと考えているよ。でもそれをやりすぎると嫌になっちゃうから、そのあたりのバランス感覚、暮らしと仕事のバランスは大事だね。


—暮らしでいうと、住居兼オフィスであるこの空間はとても素敵です。

もう20年近く借りているんだけど、当時はリノベーションなんて言葉もあまり聞かなかったし、古い物件って結構安かったんだよね。不動産会社も「貸し出しにくいところだな」って思っていたはず。


—注目されていないものに価値を見出したことが、とてもルーカスさんらしいです。雑誌を作る上で共通している感じもありますね。

本当にそうだね。知らないものや関心がないことに、目を向けさせるのはすごく難しい。みんなが知っていることを紹介すると流行りやすいんだけどね。でもそれは誰もがやっていることだし、そればかりだと自分が考える理想の世の中になるかわからない。今の時代だからこそ提案できるものは何なのか、常に考えていくことが大事だと思っているよ。

ルーカスB.B.

1971年、アメリカ・ボルティモア生まれ。サンフランシスコ育ち。1993年に来日、1996年にニーハイメディア・ジャパンを設立する。カルチャー誌『TOKION』を発行し、斬新な切り口で若者の注目を集める。その後もトラベル誌『PAPERSKY』やファミリー誌『mammoth』を手がけながら、『Metro min.』(スターツ出版)や『PLANTED』(毎日新聞社)など、数多くのメディアの創刊にクリエイティブディレクターとして関わる。ファミリー向け野外フェスティバル「mammoth HELLO CAMP」や日本各地を自転車で巡る「PAPERSKY tour de Nippon のイベント企画やプロデュースなど、さまざまなフィールドで活躍。


Instagram: @lucas_khm
http://www.khmj.com

Text: Shunpei Narita
Photo: Junko Yoda


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