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平山昌尚が手がけたコンセプトがあるグッズたち

ジンだけではなく、グッズも平山のアート活動のもうひとつの側面だ。最初にグッズを作ったのは10年前。自分の絵を印刷した、お土産的なグッズが始まりだった。

最新のグッズは、一億が百枚ある「7010」(2017年)。「ジンバブエのハイパーインフレを見て、お金ってなんだろうって。出版社(RONDADE)と作りました。この緑の紙は印刷所から来た時にたまたま付いていたそうです」。

狙っているのか、ただの偶然なのか、平山のグッズには偶発的な要素が多数ある。同じく新グッズのトランプは、ただの棒で図柄が表されているのだが……。

「トランプは、左上の数字とその下のシンボルがわかれば遊べますよね。なので他は大体でよいです。Illustratorを使い、トラックパッド上で描きました。ジョーカーは結構頑張りました……描くのにかかった時間は全部で30分ですね」


―こだわりすぎない「こだわり」

そうした制作方法は、ただ面倒がっているという理由ではない。そこには確固としたコンセプトがあった。

「早く描くと予想していないおもしろい線が出るんです。ゆっくり描くと意識が追いついて想像に近いものになるんだけどそれ以上にはならない。だからぱぱっと描きます」

こだわりすぎていないところに、平山のこだわりがある。

「PCで描く場合、ペンタブレットとか便利なものがあるじゃないですか。でもトラックパッドで充分です。トラックパットでおもしろい線が描けた方がよい」

棒の上から人間を落として、人間が立ち上がったらセーフ、という自作ゲームで遊びながら、平山はそう語った。


TEXT: 齋藤あきこ
PHOTO: 菊池良助

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