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【モバイルプロジェクターが当たる】
三宅唱監督の創作裏話と、レコメンドする「好奇心を刺激する」映画5選


世の中には素敵な瞬間や心をかき乱される出来事が、実際にある。


数々の映画賞に輝いた『きみの鳥はうたえる』から、『ワイルドツアー』や、Netflixオリジナルドラマ『呪怨:呪いの家』の監督まで務め、創作の幅をますます広げ続ける三宅唱。多岐にわたる作品で、観る人の心を揺さぶり続ける映画創りの裏側を聞いた。

ー作品ごとに多彩な手法と絵づくりをされますね。創作のために豊富なインプットをされてきましたか?

いろいろと調べ物をするのは好きです。本を読み、映画を観て、人の話を聞いたり、フィールドワークのようなことをしたり……。この上なく楽しい時間ですね。これまで興味がなかったことでもいざ調べ始めると、心惹かれるモノが発見できる。例えば時代劇のオファーを受けた際は、もともと江戸時代にあまり関心も知識もなく悩んだのですが、鎖国中に外に拓けていこうと試行錯誤した蘭学者たちにワクワクする自分を発見しまして、それで『密使と番人』という企画を立てました。調べたものすべてを映画という枠組みの中に入れられるわけではないですが、アウトプットに役にたつかどうかは気にせず、なんでも調べます。


ー作品創りの度に足を使って資料を蓄え、ご自身の感性に結び付けているんですね。映画やドラマにとどまらず、ミュージックビデオも撮られていますね。

OMSBやHi'SpecのMVを撮らせてもらったことをきっかけに、一年に1、2本ほどのペースですが、様々なタイプのミュージシャンと出会いました。今年は、これまで作ったMVなどを星野源さんが観てくれていたようで、「折り合い」のMVを一緒に作ろうと声をかけてもらいました。曲を扱うのは毎回緊張しますが、でもMVの撮影現場は自由なノリと緊張感のバランスが居心地よくて、いろんな刺激をもらっています。


ー創作意欲が自然と次の創作へと繋がっていますね。これまでは気の赴くままに映画を撮ってきましたか?

基本的にはオファーをいただき、お題があり、それに対してどう答えようかと考え続けて来ました。なんだかバラバラなことばかりやっているように見えるかとも思うんですが、その理由は、これまで一緒に作った相手が、俳優事務所のDecade、愛知県美術館、建築家の鈴木了二さん、時代劇専門チャンネル、函館の映画館シネマアイリス、山口情報芸術センター[YCAM]、そしてユニーバサルとネットフリックス……と様々でした。つまり、この10年はいわゆる映画会社と仕事をする機会がほぼなくて。それが、ちょっと変なフィルモグラフィーの理由かな、と。オファーしてくれた相手によって、求められるお題もアウトプットの狙いどころも違うので、その都度、新しいことに挑戦できたのは運が良かったです。


ー制作技術の幅広さと、好奇心の強さを感じます。映画創りの初期衝動を教えてください。

原体験は中学生の時に文化祭で撮った3分のビデオ。「映画って何でもできるじゃん」と興奮しました。文学もあれば美術も音楽もあり、チームで体を動かせる。好きなものがすべて詰まっていて刺激的だった。けれど、こうして映画を撮り続けている理由は、その思いが打ちのめされたところにある。上京して大学で短編を撮り始めましたが、なかなかうまくいかない。中学のときと違って色々な映画をみてしまった後だからか、自分の作ったモノに全く納得できなくて、いつも悔しい。でも「次こそは!」という感じで、やめられない。そんなことを繰り返しているうちに今日の自分がある気がします(笑)。むしろ、思った通りにならないという点にこそ、映画づくりの面白さを見つけたかも。


ー言葉にならない繊細な感情を捉え、巧みに映し出す映像が支持されていますよね。

以前撮影中に村上淳さんにいただいた「映画の現場はナマモノだよね」という一言の影響が大きいです。それまでは、頭に描いたものを映像にするのが映画監督の役割だと思っていた。才能のある監督は頭の中に誰も見たことのないイメージが広がり、それを実現する能力があるんだろうな、と……。自分にはそんな才能も奇想天外なアイデアもありませんが、「ナマモノ」という言葉から発想の転換ができた。寿司のネタを扱うように、鮮度を保てるか、腐らせてしまうか。思い通りにコントロールしてゼロから世界を立ち上げようとするのではなくて、世の中には素敵な瞬間や心をかき乱される出来事がすでにあるのだから、僕はただそれをちゃんと発見すればいいかなと。あるいは、そんな一瞬が起きそうな環境を整えて、準備する。

ー「ナマモノ」と言えば、三宅さんの映画には、ドキュメンタリーとフィクションを交えて撮られた『ワイルドツアー』がありますね。

自分がこれまで感じてきた役者たちの魅力は、リアルとか生々しいという言葉では物足りなくて。そこで「野生」「ワイルド」という言葉はフィットしました。動物っぽく、かつ繊細で、広がりのある、何だか分からないようなものを含んでくれる言葉ですから。山口に住む中高生と野山に出掛け、植物を採取して、そのDNAから植物の名前を発見していくという日々を、脚本も交えながら、日記のように撮影を進めていきました。ドキュメンタリーのような撮影方法でなければ捕まえられない彼らの野生と、劇映画の手法を使わないと引き出せない彼らの野生、そのどちらも掬い取りたかった。社会に慣れて身についた所作ではなくて、生まれた時から備わっているようなものこそを捉えてみたいと思っていました。


ー本日はモバイルプロジェクターで実際に映画を見ながら、三宅監督に「好奇心を刺激する映画、5選」を紹介していただこうと思います。

プロジェクターで映画を観るというのもいいものですよね。僕もちょうど今探していましたが、コレはとても小さくてキャンプになんかに持って行くにも良さそう。……そしてみなさんにオススメしたい映画ですが、今日は視点を変えながら5作品、選んできました。



1.『ブックスマート』(2020)
何事も「初めて」の体験には好奇心がつきもの。高校生活最後の夜に、主人公たちがいろんな「初めて」を経験しようとする。とにかく最高の映画です。

『ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー』絶賛公開中
©2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
配給:ロングライド
監督:オリヴィア・ワイルド(長編初監督)
製作:アダム・マッケイ、ウィル・フェレル
出演:ケイトリン・デヴァー(『デトロイト』)
   ビーニー・フェルドスタイン(『レディ・バード』)
配給:ロングライド
2019年/アメリカ/英語/102分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:BOOKSMART/日本語字幕:髙内朝子
公式サイト:https://longride.jp/booksmart
【宣伝お問合せ】
[配給・宣伝]ロングライド TEL:03-6264-4113 FAX:03-6264-4114
[パブリシティ]ロングライドTEL:03-6264-4113 [email protected] 電波・紙(村中、大場、出澤、深澤)WEB(大場)

2.『ハンガー』(1983)
特殊メイクが好きでして、「どうなってるの?」とつい凝視しちゃう。デヴィッド・ボウイの変貌ぶりとカトリーヌ・ドヌーヴから目が離せません。最も敬愛するトニー・スコット監督の第1作です。

DVD¥1,429+税
ワーナー・ブラザースホームエンターテイメント
©2013 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.



3.『モガンボ』(1953)
巨匠・ジョンフォード監督は西部劇だけでなく、アメリカを遠く離れた場所でも何本も撮っています。見知らぬ土地や人々に対する強い好奇心がなければきっと生まれていない傑作。ヒロインのエヴァ・ガードナーにもドキドキします。

『モガンボ』
ブルーレイ¥2,980+税
ワーナー・ブラザースホームエンターテイメント
©2004 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.



4『フィアレス 恐怖の向こう側』(1993)
向こう側には、何があるのか…!?気になりませんか(笑)。『トゥルーマン・ショー』の監督作ですが、本作でも「世界の謎」にぐいぐいと迫っていくパワーが強いです。

『フィアレス恐怖の向こう側』
DVD¥1,429+税
ワーナー・ブラザースホームエンターテイメント
©2015 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.



5『ワイルドツアー』(2018)
劇中では、野山で採取した植物のDNAをPCR検査にかけて、植物名を同定しています。そんな実験が民間でもできる時代になったことに、中学生たちと一緒にワクワクしました。

©Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]




三宅唱
1984年北海道生まれ。主な監督作に『ワイルドツアー』(18)、『きみの鳥はうたえる』(18)など。最新作はNetflixオリジナルドラマ『呪怨:呪いの家』(20)。
Twitter: @miyakesho

Text: Takako Nagai[CATALDESIGN]
Photo: Junko Yoda
Produce: Kenta Suzuki


映像を創る際のフィールドワークにも事欠かず、好奇心のままに様々な領域にアプローチしている三宅さん。KODEでも好奇心を刺激する体験やアイテムが当たる「好奇心パスポート」キャンペーンを実地中。KODEメンバー限定で、今回三宅さんも使用したポケットサイズの超小型モバイルプロジェクターをプレゼント。さぁ、今すぐチェック!

応募期間:2020年8月31日(月)10:00 ~ 2020年11月26日(木)9:59
詳細はKODEメンバーに登録/ログインしてチェック。


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