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北斎や広重をサンプリング!? 浮世絵とストリートカルチャーを融合させるアーティストNAGA

銭湯で決まった、自分の進むべき道

葛飾北斎や歌川広重の作品をサンプリングし、ストリートカルチャーの表象とミックスさせて作品を完成させるアーティストNAGA。彼の活動の原点は、駒込にある銭湯・殿上湯で働いていた過去にあるという。実際に思い出の地で懐古しながら迫る、アーティストNAGAが誕生した日。

 

以前働かれていた駒込の銭湯・殿上湯にて取材を行いますが、こちらには遊びに来たりすることもあるんですか。

 実はすごく久しぶりで、最後に来てから5〜6年になると思います。懐かしいですね。働いていた頃はこんな感じで番台に座っていましたよ。





—番台に座っている時間は、どのように過ぎていきましたか。

お客さんの対応もあるけど、テレビも見れるし割とのんびりできる。絵を描いて過ごすこともしばしばでしたね。銭湯の仕事って、何かを待っている時間が多いんです。風呂が沸くまでに時間がかかるし、番台は交代制だから休憩時間もしっかりあって。時間ができたら近くの公園でスケボーをしていましたね。



—もともと絵は描かれていたんですか。

漫画家志望で専門学校に通っていたので、絵はよく描いていました。当時は浮世絵とか江戸時代のものをモチーフとした作品ではないです。もともと興味もなかったですし。でも今の作風に至るきっかけをくれたのが、実はこの銭湯なんです。



—そのあたりの経緯を深く教えていただきたいです。

この銭湯は単に水道水を沸かしているんじゃなくて、実は地下水を引いているんですね。これが飲んでもめちゃめちゃ美味しいから、飲料水として売ろうという話になった。その時に販促としてポスターを作るから、葛飾北斎の『富嶽三十六景』をモチーフに絵を描いてくれないかとお願いされて。



—その時に作成したのがこちらですね。

すごい懐かしい、まさに自分の作品の原点ですね。これを描いた時に、あまりにもしっくりきちゃって。ただ浮世絵を描くんじゃなくて、グラフィティやヒップホップ、スケボーといった自分の好きなカルチャーを詰め込んで描くことってめちゃめちゃ面白いと思ったんです。周りに見せたらけっこう評判も良くて、もっと突き詰めようかなと。





—銭湯にはNAGAさんの作品も多数ディスプレイされていますね。

飾っていただいてありがたいです。このあたりはほとんど北斎や広重のサンプリングなんです。桶でスケートボードをしている絵の元ネタは、『富嶽三十六景』の「尾州不二見原」というもので、桶屋さんが桶を作っている様子が描かれているんですね。過去にドラム缶の中でスケートをしているビデオがずっと印象に残っていて、桶をドラム缶に見立てたら面白いじゃんと思って。



—浮世絵のインプットは、どのような形でされているのですか。

特別勉強しているわけではないんですけど、とにかく図録は買いまくりました。神保町の古書街とかブックオフに行って、とにかく買い漁る。それは浮世絵の技法を学ぼう、みたいな理由ではなくサンプリングのため。知らない街に行ったときには、とりあえず古本屋に行くのが習慣。まだ見たことがない浮世絵の本があったら、買うようにしていますね。



—ストリートカルチャーもNAGAさんのルーツだと思うのですが、ハマっていった経緯を教えてください。

元々スケーターファッションが好きで。スケボー自体はやっていなかったけど、カルチャーとしては気になっていたんです。



—それでは最初の入り口としてはファッションだったんですね。

好きだったオフスプリングや、ビースティー・ボーイズのミュージックビデオにスケーターが出てきて、ファッションも含めてかっこいいなぁと。そこに影響された部分も大きいし、自分もやってみようと思ったんです。



—その当時NAGAさんはどんな格好をしていたんですか。

グラフィックTシャツをよく着ていましたね。あと当時ニューエラのキャップが流行っていて、ニューヨーク・ヤンキースのモデルを被っている人がたくさんいたんです。自分はヤンキースは違うかなと思って、ロサンゼルス・ドジャースのモデルを被っていたんですけど。イマイチしっくりきていなかった。行ったこともない場所だし、野球だって特別好きなわけじゃないから。



—モヤモヤとしたものを感じていたんですね。

知らなかったり、意味がわからないものを身につける感覚に対しての違和感というか。それよりも日本的なものや、自分とって近しいものの方がいいかなって。アメリカのカルチャーは大好きなんですよ。Apple製品だって日常的に使うし、今日履いているパンツもディッキーズ。ただ自分としては100%アメリカのものというよりは、ちょっと日本的なものだったり、自分にとって近しいものを身につけたり、使いたいって思っています。「僕の作品を見て浮世絵を好きになってほしい」みたいな気持ちは全くないんです。だけど自分の作品が日本的なものに触れるきっかけになれたら、それはとても嬉しいことですね。



NAGA
茨城県生まれのイラストレーター・グラフィックデザイナー。スケートボードカルチャーをこよなく愛する。25歳の時に銭湯で働き始めたことをきっかけに、日本の伝統的文化、特に江戸時代に興味を持ち始め、自身の好きなストリートカルチャーとミックスした作品の製作を開始。

https://naga-uraedo.com
Instagram: @naga0708


殿上湯
https://denjyoyu.tokyo/



Text: Shunpei Narita
Photo: Masahiro Ibata




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応募期間:2019年8月15日(木) 11:00 ~ 2019年9月24日(火) 9:59

詳細はKODEメンバーに登録/ログインしてチェック。



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