search search

【イギリスを感じさせる生活雑貨セットが当たる】
フォトグラファー・イリグチケンタに聞く、ストリートフォトの撮り方

パリから東京、ファッションから建築 越境して見出される共通点と相違点



2014年春、パリに渡ってヨーロッパのファッションウィークのストリートスナップやバックステージを写してきたイリグチケンタ。2020年夏、彼は東京で建築を鮮やかに切り取った写真を展示していた。自身のルーツにもつながるロンドンの街で生まれた雑貨を囲み、ストリートでファッションと建築を撮るそのスタイルを聞いた。


―まず、パリでストリートフォトグラファーとして活動するに至るまでの経緯を教えてください。

もともとファッションデザイナーやエディターを目指していたんですが、いろいろ経験していくと自分には現実的でないと思い、ユナイテッドアローズの販売員として働いていました。でも、自分がいちばんやりたいことではなかったので葛藤が…。そんなとき、成人式で同級生と写真の話になり、「趣味も本気でやればかっこいい」という彼のひと言で写真を仕事にしようと決意して。それで「ファッション」「写真」といえばパリだと思い、3年弱くらい向こうで活動していました。


―向こうではどのように活動されていたんですか?

最初はもちろん仕事がまったくなく、とにかく現場に飛び込みで撮影したりして生活していました。そのときくらいに『EYESCREAM』(2014年9月号)がストリートフォトグラファーの特集を組んでいて。アダム・カッツ・シンディングやトミー・トンの思想を知り、自分のやりたい方向は間違っていないと再認識したんです。それから縁あって、HYPEBEASTでストリートスナップやバックステージを撮らせていただいたのが初めての仕事で。そのあとは少しずつクライアントを増やしながらヨーロッパ各国を周ってファッションウィークのストリートスナップを撮っていました。



―イリグチさんは「ストリートスナップ」をどのように捉えていますか?

ストリートスナップは「日常的なものを瞬時に撮る」ものだと僕は思っていて。ただ、日本で主流の「ストリートスナップ」は撮りたい人に声をかけてポーズを指示してカシャッ。これはリアルじゃないしエディトリアルなんです。一方、海外ではセレブリティやインフルエンサーでも声を掛けずにその瞬間を撮る。肖像権などが絡んだり法律的な制約がある日本と比べると、そこにギャップを感じます。『STREET』で藤田佳祐さん(THE FOUR-EYED)が海外で撮ったスナップは、日本の堅苦しいスタイルではなかったので、とても衝撃を受けました。


―その後、パリから東京に拠点を移したのはどういう理由なんでしょうか?

ヨーロッパで撮っているとき、日本や東京のことをよく聞かれたんですが、東京や日本のファッションを全然知らないので説明できなかったんです。東京はファッションのあるジャンルにおいてはトップであるのに、それを知らないもどかしさを感じ、東京での仕事も増やしたいなと。今は徐々に東京でやりたいことができてきていて。先日もルイ・ヴィトンが東京で開催したショーで、僕がヴァージル・アブローとやり取りしていたことからバックステージに入ることができました。パリのピッグメゾンが東京でやるショーの現場に自分が携われたことはすごく面白かった。


―その一方、原宿のoffs galleryで先日開催された「線と構図(LINES / COMPOSITION)」での建築写真も印象的でした。

建築はずっと好きで、ヨーロッパにいるときからファッションと並行して撮っていました。建築写真って、写真としてファッションやアートの文脈から見られることがあまりない。それを変えたいと思って、建築における「線」と写真における「構図」をどう表現するとかっこよく見えるのかを追究しました。


ーイリグチさんがInstagramのアイコンにされている建築写真もかっこいいですよね。ふだんはどのように建築を見つけているんですか?

ありがとうございます。あれは千歳船橋の東京メモリードホールという葬儀場で、設計が隈研吾さん。個展の大元のテーマでもあるテクノ要素を建築に落とし込み、建築の写真をネガフィルムみたいに2色で表現しました。


東京の街はヨーロッパと違って、密集してるからこそ面白いディテールが詰まっていると感じます。現場に向かっている途中も面白い建築があったりするので、iPhoneで記録したりディテールを見たりします。(窓の外を見て)あそこの階段もなんであのかたちなんだろうと考えるんですよ。建築物には窓や階段の数から構成要素ぜんぶに絶対的な理由があるので。設計者が伝えたい部分を素材レベルで考えて圧倒的にかっこよく撮りたい。


―まさにストリートに根ざしていますね。人物もプライベートで街を歩いているときに撮ったりするんですか?

ないですね、僕はオンとオフがすごくはっきりしてるので。むしろ、プライベートだと建築を撮る事が多いです。ただファッションも建築もストリートにあるものだし、僕のなかではどちらもリアルだということが共通している。服と同じように建築も天候ひとつで見え方が変わってきますし、僕の写真は曇りのときがいちばんきれいに見える。だから曇りの多いロンドンの光がいちばん好きなんです。

―ロンドンつながりでいうと、こちらの「LABOUR AND WAIT」はロンドンに本店を構える生活雑貨店なんです。KODEでは現在、「LABOUR AND WAIT」にセレクトしてもらった、自宅で過ごす時間をアップデートするようなアイテムをプレゼントするキャンペーンを実施しています。イリグチさんは家で過ごす時間は好きですか?

めっちゃ好きです。今の部屋はすごい縦長の1LDKとちょっと変わっていて、バリアフリーなので段差もなく、壁とかは打ちっ放しのコンクリート。(商品を触りながら)このラグいいですね。ラグ、すごく好きなんですよ。マグカップもコーヒー好きなんで重宝しています。フェルトのコースターも、もらえるんですね。


―このマグはロンドンデザインミュージアムで20世紀を代表するデザイン100にも選ばれています。紅茶党のために、大容量のティーポットもプレゼントしますよ。17世紀末からイギリスにおける陶器産業の中心地であるストーク・オン・トレントにおいて、地元の赤土を使って作られたものです。またヨーロッパには用途に応じてブラシを使い分ける習慣があるのはご存知でしたか?


キャサリンハムネットのデザイナーの家を訪れたとき、やたらとブラシがあったのはそういうことだったのか。


この白い容器は一体なんですか?

―これはイギリスの家庭で日常的に使用されている湯たんぽです。自然な暖かみが心地よい眠りを誘います。

(エプロンを手に取って)料理はですね…、ガパオライスしかつくらないです(笑)。食に関しては、美味しいものをひとつ見つけたらそれしか食べないタイプなので。ロンドンでも大好きなリヴァプールの試合見ながらフィッシュアンドチップスとビールばかりでした

―それは最高の組み合わせですね(笑)。まだコロナ禍ではありますが、これからの展望を教えてください。

写真は今までファッションばかりだったので、建築をメインに取り組んでいこうと思っています。この前の展示で神保町シアターの写真を買ってくださった方がいらして、その方は神保町に住んでいるのにその建物を知らなかったということがあって。写真は記録に残せるものですし、こうやって建築の良さを伝えられることを続けていきたいです。それとこの自粛期間にクリエイティブアートスタジオチーム「エントランス ワークス」の活動を始めました。空間や音楽のディレクションや面白いプロダクトなどをつくるチームもあるので、写真以外のこともしていきたいですね。


イリグチケンタ
フォトグラファー。1994年生まれ。福岡県出身。ユナイテッドアローズで販売員として働いたのち、パリに渡り、独学で写真を学びながらヨーロッパ各国のファッションウィークでストリートスナップやバックステージを撮影。2018年に拠点を東京に移し、ストリートフォトグラファーの活動の他、建築、キャンペーン、広告、ドキュメンタリーなどの撮影を手掛ける。2020年7月には建築写真を展示した「線と構図(LINES / COMPOSITION)」を開催した。

Instagram:@mrportraiter @kenta_iriguchi @entranceworks
MR PORTRAITER : www.mrportraiter.com
entrance WORKS :www.entranceworks.com


Text:Yoshinori Araki
Photo:Junko Yoda [Jp Co., Ltd]
Edit:Shunpei Narita

Location:LABOUR AND WAIT TOKYO
03-6804-6448
東京都渋谷区神宮前1-1-12 1F
www.labourandwait-tokyo.com


ファッションフォトグラファーとしてキャリアをスタートさせ、現在は建築も追いかけている好奇心の強いイリグチさん。KODEでも好奇心を刺激する体験やアイテムが当たる「好奇心パスポート」キャンペーンを実地中。KODEメンバー限定で、イギリスを感じさせる生活雑貨セットをプレゼント。さぁ、今すぐチェック!


応募期間:2020年8月31日(月)10:00 ~ 2020年11月26日(木)9:59
詳細はKODEメンバーに登録/ログインしてチェック。


SHARE