search search

平山昌尚の相棒によるドローイングパフォーマンス

乾電池で動く、ピンクのブタのぬいぐるみ。スイッチを入れると、ジージーという音をたてながら、ぴょこぴょこと歩き回る。店は開いているけどお客さんはいない、開店休業のおもちゃ屋さんの店頭で日焼けした箱に入ってうられていそうなレトロなおもちゃである。

平山はこのブタを作品にしてしまった。四本の足にマジックをセロテープで貼り付け、大きな紙の上でブタを歩き回らせることでドローイングをする。

「このブタに2014年ドイツで出会いました。バウハウスで講義をする機会があって、学校の近くにある1ユーロショップで売られていたんです。既に薄汚れた状態で……」


―仲睦まじい物言わぬ相方

ドローイングのために、足にマジックをくくりつけていく平山。スイッチを入れると、ブタはうなりながら歩き出した。平山はブタにぴったりと寄り添い、ブタの身体を正しい方向へとこまめにガイドしていく。

「こいつ、いい線描くんですよ。自分では描けない線が出て来るのがうれしいです」。平山の線へのこだわりが、ブタのぬいぐるみのドローイングというかたちで表現されているのが面白い。


―持ち主に似た筆跡をけなげに描く
 
ドローイングは、ペンを変えながら4回にわたって行われた。足を汚しながら懸命に歩くブタの姿がいじらしい。そして完成した作品は、不思議と平山が描くドローイングのストローク、そのものなのであった。

今後、本作品はパフォーマンスを交えてイベントなどで実演される予定。是非いちど、そのいじらしい動きを目で確かめてみてほしい。



TEXT: 齋藤あきこ
PHOTO: 菊池良助

SHARE